あれから11年

 夕方、元町の交差点を歩いていたら、頭上から聞こえてくるヘリコプターの音。
見上げると3機のヘリコプターが上空を飛んでいる。
「あぁ、今日は1月17日。あれから11年目を迎えたんだなぁ。」と妙に実感が沸いた。
復興した街の灯りを上空からカメラにおさめているのだろうか。

 6,434人もの死者を出した、あの阪神淡路大震災から今年で11年。
あの時も、上空には何機ものヘリコプターが旋回し、地獄絵の様になったこの街の様子をテレビで伝えていた。

 11年前、この街に住んでいなかった私は、その様子をテレビの前で座って見ていた。
当時、姉が北野に住んでいたので、混線している中、昼過ぎにやっと母と電話がつながり、姉が無事である事を確認出来た時はホッと胸を撫で下ろした。

 今私は、建物が倒壊し、一旦は焼け野原になった長田の街で暮らしている。最も大きな被害を受け、最も復興に時間がかかっている街だ。私達が住んでいる周辺には、大きな仮設住宅があったそうだ。下町だった長田の街に、新しく高層マンションが建ち、新たに建設されている様子は、裏返せば、何もかも倒壊し区画整理されたと言う事だ。私が踏むこの街の至る所で、多くの人が生き埋めになり、亡くなっていった事に鈍感になってはいけない。

 震災を経験した人達は、何かを思い出す時、「あれは、震災前やったかなぁ?後やったかなぁ?どっちやったやろ?」とよく言う。震災を基準に彼らの時間軸が動き出す。

 復興したと言われる神戸も、「開発中心の復興行政のツケ」が、自治体の財政に重くのしかかっているとの事。街の様子は一見復興したかの様だが、まだまだ11年前のあの大地震から、完全に立ち直れた訳ではない。

 11年前、ボランティアとして神戸に入った私の大学時代の先輩(現在は職場の同僚)がかつてこんな事を言っていた。「街が復興しても、人の心が復興するのには時間がかかる。だからこそ、人の手で防げる様な戦争は絶対に行ってはいけない。」と。

 11年前、私のこの足元で、亡くなられていった多くの方々の冥福を祈ります。


                                  つばき

by bigcamellia814 | 2006-01-17 22:47 | 長田そぞろ歩き

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