地蔵盆

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 神戸には未だに『地蔵盆』という風習が人々の生活に根づいている。

 8月23、24日は地蔵盆。この日、街角のお地蔵さんの頭上には提灯が飾られ、紅白の幕が敷かれ、花や食べ物が備えられ、きれいに奉られる。夕方になると、片手に大きなナイロン袋や紙袋を提げた子ども達が連れ立って街の中を駆けていく。お地蔵さんのある場所を回り、線香とお賽銭をあげ、きちんと手を合わす事が出来たら、そのご褒美として、大人からお菓子やジュースをもらう事が出来る。子ども達は、お菓子欲しさに色んな場所にあるお地蔵さんに御参りする。これを『地蔵盆めぐり』という。この街に住む子ども達にとって、終わりかけの夏の一大行事だ。

 在宅で暮らす障害児の夏休み中の預かりを仕事として行なっているが、地蔵盆のこの日、私は彼らとのお泊り会に参加していた。親と離れてのお泊り会だ。不安になるのは手放す親の方で、子ども達は案外逞しい。
 夕食を終えた子ども達に大きなナイロン袋を渡し、『地蔵盆』と書かれた提灯の灯りを目指して、街に繰り出した。

 とりわけ長田は、この風習を重んじる地域だそうだ。人伝に聞いた話なので真実かどうか定かではないが、被差別部落のある地域は、『地蔵盆』を盛大に行なうそうだ。確かに長田にも被差別部落と呼ばれる地域はある。『差別』と『信仰』。地蔵盆には、その事を考える糸口が隠れている風習なのかもしれない。

 私が生まれた町には『地蔵盆』という風習はない。同じ日本でも、異文化が溢れている。

                      つばき

by bigcamellia814 | 2005-07-26 23:59 | 長田そぞろ歩き

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