私の中のカンボジア

メディアが流すある光景は、その世界が持つあらゆる現象の、ほんの一部の「切り取り」に過ぎないはずなのだが、受け取る側は、それがその世界の全てであるかの様に受け止めてしまいがちだ。しかし、私の脳裏に焼きついたある光景も、その世界が持つあらゆる現象のほんの一部の「切り取り」でしかないはずなのに、印象に残った事だけが肥大し、肥大したそれが、私にとって、その世界の全てになってしまう事がある。
 
 6月16日、アンコールワットで有名なカンボジアはシェムリアップのInternational Schoolに、銃を持った男達が押し入り、幼児らを人質にとって立てこもった上、カナダ人の男児を殺害すると言う事件が起きた。その中に、日本人の親を持つ子ども5人も含まれていた事から、ニュースでも大きく扱われた。

 久々に気分がどんよりとしたニュースだった。そのどんよりとした気持ちのやり場を探す事も出来ず、そのまま眠りについたが、目覚めてもその気持ちは継続した。それと言うのも、シェムリアップは私が訪れた事のある場所で、かつて私の親友があの街に暮らし、今も別の友人があの街で暮らしているからである。今回の事件は、現在シェムリアップに住んでいる友人の職場から1キロ圏内の非常に近い場所で起きたとの事。かつてシェムリアップに住んでいた親友は、現在プノンペンで暮らしているが、彼女の友人の子どもがそのInternational Schoolに通っていた事もあり、情報収集と連絡に明け暮れ、ずっと緊張しっぱなしの一日だったとメールをくれた。

 確かに、滞在中、物騒な話も聞いたし、「夜8時以降は絶対一人で歩かないで。」と友人にも念を押された。けれども、12世紀に建てられ、今なお美しいシルエットと圧倒的な存在感で迫ってくるアンコールワット、トンレサップ湖の水上生活者の様子、土埃舞う中自転車に乗り合い、夕日に向かって家路を急ぐ人々の光景、そしてどこまでも続く田園風景ののどかさは、私を魅了し又訪れたいと思わせた。しかしそれは、私が「切り取った」ほんの一部のカンボジア。それを否応なく感じさせられたのが今回の事件だった。どこか無秩序で混沌としている感覚を、体を通して感じていた事が思い出された。

 犯人達が当初要求した金額は一千ドル。日本円で10万円程度だが、警察官でも月給20ドルだと言われるカンボジア人にとっては大金だ。シェムリアップは、アンコール遺跡により観光地化が進む街だ。外国人が訪れ、お金を落としていくともなれば物価も上がる。しかし、それに伴って人々の経済状況も豊かになるかと言えばそうではない。「貧しい国」の代表格の様に言われるフィリピンに住んでいた私がカンボジアを訪れた時、「フィリピンは本当に第三世界と言えるのか?第三世界というのは、この国の事を言うのではないか?」と思った程だ。土埃の舞う舗装されていない道路、フィリピンにはいたる所にあるファーストフード店やショッピングモールもこの街には存在しない。物乞いする人々は、地雷で手足を失っている・・・

 今回、犯人達が取った行動は実に卑劣だ。貧しくても、彼らの様な行動を選択する人もいれば、その様な選択をしない人もいる。むしろ後者の方が大多数だ。
 しかし、なんだろう?この、どうしようもなく切ない気持ち・・・群集から暴行を加えられ、顔面血まみれになった犯人の一人が「お金が欲しかった。」と言った。
 「貧困」と「犯罪」、この二つは別物か?いや、「貧困」の先に「犯罪」が生まれ、「犯罪」の背景に「貧困」が存在している。私が住んでいたフィリピンも然り。「なんだか、答えが出ないよね。」カンボジアの旅で親しくなり、同じ時期をフィリピンで過ごした友人とそんな話をした。

 今回の事件報道で、カンボジアを危険な国だと感じた人は多いだろう。私ですら「旅している間、よく何も無かったもんだ。」と自分の幸運に感謝し、「どこにいても何が起こるかわからないのは一緒だけど、でも、とにかく気をつけてね。」とカンボジアの友人2人に即座にメールを送った。

 でも、ちゃんと忘れないでいたいんだなぁ。ほんの一部に過ぎないかも知れないけど、私が大好きになったカンボジアを。危険とは対極にあるのどかさを。人々のはにかんだ様な恥ずかしがり屋の笑顔や、アンコールワットのお堀の側で、のんびりとお昼寝していた人達の日常を。どこまでも広がる田園風景とそこに沈む夕日の美しさに、確かにくつろいだ自分を。

                             つばき 

# by bigcamellia814 | 2005-06-21 19:43 | TSUBAKIng Times

ヤッター!ブログ!

初めまして!お久しぶり!の皆サマ。

 椿の同居人・葵です。葵でございます。

 そんじょそこらのチャリンコには負けないスピードで長田の街を突っ走る私は
今年でくるまいす22周年。泣く子は黙るが、犬には吠えられっぱなし。

 椿と重ねてきた長田での暮らしも、はや2年目に突入。思いっきり楽しんでおります。
楽しいったって、椿と私が一緒になると、騒々しいんだから。

 ひとりきりだと、ついついそのまま流してしまいそうな出来事も、2人なら楽しいハプニングになるこの毎日。

 皆さんにも読んでもらって、一緒に楽しめられるなら、とても、嬉しい。

 これからどうぞよろしくお願いしますね。  葵

# by bigcamellia814 | 2005-06-13 21:20 | 葵歳時記

やっと出来ました!椿と葵のブログ♪

皆さん、こんにちは!やっと出来ました椿と葵のブログ『下町長田は百花繚乱』!

 「まだ、ブログ作ってないの?」「早くTSUBAKIng Times再開してよぉ!」と友達にやいのやいの言われながら、「作る、作る。」と言いつつ、延び延びになって今日まで!
やっとブログの一歩を踏み出しました。
こんなに簡単に出来ちゃうなんて!何でさっさと作らなかったんだ!?

 日常の中で体験する様々な出来事。
そこから生まれる私の感情や思考に言葉を与えていく作業が、子どもの時から大好きだ。
大好きなはずなのに、たっぷりと余裕に浸れる時間がなければ、
そんな事も平気で置き去りにしてしまいがちになる。

 フィリピンに住んでいた時、テラスの揺り椅子に腰掛け、椰子の木の間をぬって辿り着く心地よい風を感じながら、何時間も他愛も無い事を考えた。
バスに乗ってアメリカ大陸を横断した時、何時間も続く同じ様な風景を見つめながら、もう何年も会っていない友達の顔を1人1人思い浮かべては、その子との思い出を辿っていった。 
そんな、「考える事を探さなきゃいけない」程のゆったりとした時間を生きた時を、私は結構気に入っている。
他愛も無い時間がすごく大切だと思う忙殺されそうな毎日。
そうならないために準備した、私の感情や思考に言葉を与える場所。

 10年前の阪神大震災では壊滅的な被害を受けた神戸市長田区。高層マンションが建ち、昔と様相は変わったが、お好み焼き屋と銭湯が軒を連ねる長田の、下町パワーは健在だ!この町から、車椅子に乗った葵との、賑やかな共同生活の様子を綴っていきます。

 今後ともごひいきに。

               つばき

# by bigcamellia814 | 2005-06-13 19:01 | TSUBAKIng Times