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アナログゆえの正確さ~すじ屋のはなし~

     「JRの体質」今こそ検証を
無職 水谷 敏彦 (京都市山科区 73)

1987年4月の国鉄分割・民営化の際に反対した国鉄労働組合(国労)に所属していたことによって差別を受けた1047人の「JR不採用問題」が、政府などの斡旋で、和解金支払いなどで一応の政治解決をみた。

とはいえ、今この問題を振り返るとき、国鉄の巨額な赤字の原因究明と解決には経営形態の「民営化」が最適とされて推進され、それに断固反対した労働組合の弱体化が露骨に図られたことを忘れてはならない。

国労などに国鉄職員としての本来の業務はさせず、草むしりなど不慣れな仕事に従事させたのである。私も39年間勤務した国鉄職員生活最後の2年余を、これまで経験したことのない仕事に携わり、屈辱を味わった。その上、国労脱退の強要と不当差別の横行は執拗で不採用問題へと発展していった。

その結果が安全無視と利益優先の経営の強行につながり、あのJR宝塚線(福知山線)脱線事故の惨事を誘発することに至ったのではないか。JR不採用問題が解決をみたこの時期にこそJR各社の体質を絶えず検証する必要を、私は思う。

2010/05/28 朝日新聞 「声」欄

 
先日、アルゼンチンの国鉄民営化を描いた映画「今夜、列車は走る」を観た後、国労の方お二人にお話を伺う機会に恵まれた。

23年目にして一応の解決をみた「JR不採用問題」。
23年間。
思わずため息が出てしまう長い歳月である。
そして彼らは、この問題の渦中、多くの国労の仲間を自死という形で亡くされてきた。

親戚の伯父も、たしか国鉄職員だった。
分割・民営化前の大人達のざわめきを、なんとなく体が記憶している。小学生ぐらいの時の話だ。

この日、彼らの話を聞こうと集まったのは、私を含め、分割・民営化当時、小学生や中学生だった世代の人達。わかりやすく丁寧に説明してくださるお二人の話の中で、とても印象に残る話があった。

すさまじい数の線が引かれているダイヤ表、ご覧になったことがあるだろうか?もちろん、私もホンモノは見たことはない。しかし、テレビだか何かで目にした時、「はぁ?いったいコレは何がどうなっているのか?」「これで、『何か』がわかるのか?わかる人がいるのか?」と、瞬時に頭の中が混乱したのを覚えている。

このダイヤ表、昔は手書きで作成されていた。
線を引くからか、その作業をする人達は「すじ屋」と呼ばれていたという。しかし、全てをコンピューターで行うようになった今、この「線」を引ける者がいなくなったそうだ。

コンピューターの中には、いくつかのパターンが内蔵されているだろう。
5分遅れた時、10分遅れた時・・・
しかしコンピューターにも内蔵されていない超イレギュラーの出来事が起こった場合、それに対応出来る人材を育ていないのが現状だと言う。

「アナログゆえの正確さがあった。」とその人達は語る。

同じ路線でも、朝のラッシュ時と昼間の2時とでは、乗客数は大きく異なる。5分の遅れが出た時、一定の変更しか出来ないコンピューターと違い、人がその手でダイヤを作成するからこそ、時間帯や乗客の流れ、その路線の特徴を配慮して、運転手が余裕を持って走行でき、安全な運転を確保する為のダイヤを作成することが出来た。すじ屋が引くひとつひとつの線には、すじ屋の脳内にあるあらゆるデータが総動員され、そして安全を願う感情がひとつひとつの線を結んでいたのだ。

話は尼崎脱線事故のことにも触れた。
23年間不採用問題とたたかい続けた彼らは、この事故が起こるべくして起きたと確信している。そしてその理由が分割・民営化に端を発していることも。

アナログゆえの正確さ。
この言葉が、静かに心に響き続けている。

つばき

by bigcamellia814 | 2010-05-28 14:42 | はたらくこと

ドキュメント高校中退~いま、貧困がうまれる場所

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 数日前、貧困地域の公立中学に勤務する先生から紹介された本を、早速手に取ってみた。

 『ドキュメント高校中退~今、貧困がうまれる場所』(青砥恭/著 ちくま新書)。埼玉県と大阪の底辺校に入学した子ども達の事例に基づき、高校を中退していく子どもと貧困との関連を分析している。

 私は最近、大阪府内の公立学校で教員として働く方々と接する機会が多くなった。小学校や中学に通う子どもがいたっておかしくない年齢ではあるが、私には子どもはいない。だから、大学以前の教育課程でどのような問題が生じているのか、その実情には完全に疎かった。
 しかし、先生方の話を聞くにつけ、彼・彼女らがすさまじく疲弊していく現実がそこにあることを教えられた。

クラスの3分の1は不登校
母子家庭がクラスの3分の1
それぞれ父親が違う子どもを何人も抱え生活保護で生活している母親、
働かずに生活保護もパチンコに消える
働いてもアルバイト・パート・非正規労働
朝も夜も働き、子どもをかまう時間もない
そのうち体を壊して、働けなくなりますます貧困に陥る
ネグレクト
日常的に虐待を受けている子どもたち
「将来この子は確実にDVをするだろうなぁ。」と思われる男子生徒
中学になってもひらがなが書けない子ども
高校になっても九九が言えない子ども
窃盗、傷害
近親姦
若年妊娠→高校中退→シングルマザー→仕事も見つからず更なる貧困に

 この子たちの親もまた、同じような貧困状況の中で生まれ育った人が多い。貧困のスパイラルが続く。祖父母の世代から親に、親の世代から子どもに、その子どもからまた新しい世代に。

 大阪府の高校中退者数・率とも全国でトップとのこと。
底辺校と呼ばれる高校には、上に列挙したような現実の中で生きる子どもたちがクラスに何人もいるという。1人ならまだしも、これだけ大変な状況の子ども達がクラスに何人もいては、先生が1人1人に丁寧に関わることなんて不可能だ。勉強を教えるなんて、それ以前の問題だろう。先生だけが背負うのではなく、その学校に常駐するスクールソーシャルワーカーの採用を具体化していく必要があるんじゃないだろうか?それも、1人ではなく、数名。そうでなければ、過酷な状況を抱える子どもたちが集中している学校は、子どもたちも、先生も潰れてしまう。

 橋下知事は教育改革として「学力向上」を謳うが、そこに目標設定を置く以前の問題を抱えた子どもたちが大阪にはわんさかいる。この貧困状況を無視して、「学力向上」だけを謳い、現場の教員の尻を叩いても、教師は更に疲弊していくだけだ。

 もっと向き合わなきゃいけない現実が目の前に溢れている。
教師の疲れた嘆きを耳にする度に、大阪の街の中で、過酷な状況を生きる子ども達のことを考えては胸が締め付けられる。

by bigcamellia814 | 2010-05-21 17:28 | libro(本)

人を育てること・育つこと

誰だって最初は新人なのに
会社員  川島 裕子(徳島市 22)

「人間は教えられていないことはできない。」祖母がよく言う言葉だ。いわく、猫だって親猫からしつけられて猫らしくなっていくものだし、鳥だって猿だって、親や仲間に教わりながら、飛び方や群れでの振る舞いを習得していくのだと。

 誰だって最初は新人で、教わって初めてできるようになるのだ。それなのに最近、その事実を忘れてしまっている人が多いような気がして残念である。「今の社会には若い人を育てる力が欠けている」といった趣旨の文章を目にしたことがあるが、本当にその通りだ。

 「即戦力」ばかり欲しがって、自分たちの経験や技術を丁寧に伝えていこうという努力をしない。前の会社では、教えてほしいと願っても、「自分で考えろ」といって、あとは知らん顔。事務職は自分1人しかいない職場で、仕事に必要な最低限の知識すら教わらなかった。そのくせ、考えた上でやったことに少しでもミスがあると烈火のごとく怒る。こんな状態で日本は大丈夫なのかと、未来を憂えてしまう。

 物事を教えることは、相手だけでなく自分自身も成長させる。そこには優しさと忍耐力が必要だからだ。もっと新人に教えることを惜しまない社会になってほしい。私自身もそう心がけたいと思う。

2010/05/20 朝日新聞『声』
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 新聞の投書欄は面白い。
たった500字程度だが、どんな人でも、伝えたい思いや考えや経験を、多くの人達に発することが出来る手短な方法だ。

 もちろん、そう簡単に掲載されるわけではないが、
編集を担当している記者とやり取りしながら、
限られた字数に合わせ、言葉を整理し、吟味していく過程は、
ちょっとした物書きの気持ちを味わえる。
掲載されると、ちゃんと謝礼を頂ける。
ここでまた、ちょっと物書きになった気持ちを味わえる。
それって、悪くないのよねぇ。

 特に、若い人達が書いたものは面白いなぁ。

 「今の社会には若い人を育てる力が欠けている」
最近私も、これと同じようなことを、どこかに書いたり、おりにふれて話しているような気がする。

 人が育っていくためには、それなりにしっかり腰を据えて、その事柄に向き合える時間と場所が必要だと思うが、そもそもロストジェネレーションと言われる私達の世代は、それを得ることすら難しかった世代のようにも思う。
 今の若者達もそうだ。数年ごとに首のすげ替えが行われる有期雇用がこんなに拡大する世の中になってしまったら、人々は十分に労働者としての力をつける間もなく、専門性を培うことも出来ず、次の仕事を探し、仕事から仕事に流浪し、明日を食いつなぐことが優先課題になってしまう。

 誰かに仕事を教えてもらった、
この人から、仕事の仕方を学んだという経験は、
30を過ぎたあたりで初めて実感した。
それも、「上司」や「同僚」からというよりは、支援していた障害者やそのご家族から教わったことの方が私は多かったと思う。

 仕事の仕方を教わったという経験も実感も浅いので、
ある時、ひどく不安になった。
「このまま年くっていいのか?」と。
次から次へとやってくる若い世代に「私は、仕事を教えられるだろうか?」と。

 でも、もう次の世代に仕事を教えていく年齢になったのは事実だ。
大して準備も出来てないのに、背中をポーンと押され、「おっとっとと・・・・」と前のめりになってヨロけながら、訳もわからず一歩踏み出した感じ。だけど、できるだけ引き受けていこうと思っている。

 ソーシャルワークにおいて、スーパービジョン(super vision)は重要な取り組みである。スーパーバイザー(指導する者)とスーパーバイジー(指導を受ける者)との関係の中で行われるそれは、対人援助を職業とする者が、常に専門家として資質を高めていくための教育方法である。私も、以前の職場で、週1回ペースで、ソーシャルワークを専門とする教授からスーパービジョン受けていた。

 ソーシャルワークに限らず、どの職場でもスーパービジョンが行われたら、「自分で考えろ」と放り出された若者達は救われる。最初の段階で、その若者を丁寧に育ておけば、おのずと「自分で考える」力は身につき、応用力を発揮すると思うのだ。

 出来る限り、引き受けよう。
だって、若い人達が、私達と同じような思いをしないですむなら、その方がいい。もっともっと違うところに生きていくエネルギーを使って欲しい。

            つばき

by bigcamellia814 | 2010-05-20 13:25 | はたらくこと

誘われた時の断り方

 先日、若手弁護士の男性と話した時のこと。
既に酔っ払っていた彼が、こう切り出した。
「ぼく、この先10年位結婚なんて出来ませんよ。」と。

 そして続けて、
「先日、合コンをしたんですよ。
その時、連絡先を交換した女性がいて、
『今度、食事でもしませんか?』とメールをしたら、
『向こう3ヶ月予定がいっぱいです。』って言われたんですよ・・・・
事務員さんって、弁護士より忙しいんですね・・・・』
と視線は遠くを見ていた。

 残念!
先生、これは完全に脈ありません!

 しかしまぁ、遠慮のない、気持ちよすぎる断り方です・・・


              つばき

by bigcamellia814 | 2010-05-18 22:01 | TSUBAKIng Times

アフリカンBag完成!

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African Bag完成!なかなかちゃーんと仕上がりました。
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持ち手は皮ひもにしてみました。「作ってほしいわぁー!」という方、材料費のみでオーダー受付け致しますわよ。(笑)

             つばき

by bigcamellia814 | 2010-05-18 00:01 | TSUBAKIng Times

実は誰かの励みになっているのかもしれない

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 ご近所の公園でちょっとしたお祭りをやっており、16時から中川家の漫才が見られるというので、それだけ見に出かけて来た。電車好きの礼二がやる電車の車掌のモノマネ、結構スキなの。

 3月31日、職場を去る日、1人の学生が私を訪ねて事務所に来てくれた。お別れのあいさつをしに来てくれたのだ。

 その学生は、潰瘍性大腸炎という難病を抱えている。潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患。特徴的な症状は、下血を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛。いつ腹痛が起り、トイレに行きたくなるかわからないから、その学生は、かなり通学時間に余裕をもって家を出、通学路のどこにトイレがあるかをチェックしていた。精神的なストレスが腹痛を招きやすいとも言われ、「トイレに行けない」と思うと、その緊張から腹痛をもよおすこともあると話してくれた。

 大学入学当初、何度か相談にのった。その時の表情は不安いっぱいの表情だったが、しばらくして会った時のその学生の表情はイキイキとしていた。

 なにやら、落研に入部したとのこと。落語だけでなく、コンビを組んで漫才やコントもやるそうだ。「今、すっごく充実しています。めちゃめちゃ楽しいです!体調もいいんですよ。」と嬉しそうに近況を話してくれた後、「実は、将来お笑い芸人になりたいんです。」とこっそり教えてくれた。プレッシャーやストレスが腹痛の要因となりやすい病気を抱えながら、人前に出る芸人になりたいというその学生。私はその学生のチャレンジにワクワクした。

 お別れのあいさつをしに来てくれたその日、私はその学生に中川家の礼二の話をした。

 昨年11月の朝日新聞に、礼二が過敏性腸症候群であることをカムアウトしていた。非常にお腹が弱いこと、本番中にウンコをもらしたことなど、よく笑いのネタにしていたが、実は過敏性腸症候群だったのだ。主として大腸の運動および分泌機能の異常で起こる病気の総称をこう呼ぶらしい。

 「中川家の礼二もね、過敏性腸症候群で、急にお腹が痛くなったり、常に下痢気味だったり、君と同じような症状を抱えながら芸人やってるんだよ。」と伝えると、「ホントですかぁ!?」と急に声が大きくなった。その学生が、中川家を尊敬する芸人としてあげるかどうかは知らないが、けれども礼二の存在はその学生の励みになったはずだ。

 礼二が過敏性腸症候群なら、その兄はパニック障害だった。それを克服、もしくはその状況と共存をしながら大勢を前にしてステージに立つ仕事を続けている。

 彼らが知らないところで、知らない誰かが、励まされているのかもしれないなぁと思う。あの学生のようにね。

                 つばき

by bigcamellia814 | 2010-05-16 01:46 | TSUBAKIng Times

草間彌生トート作成中!

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 数年前訪れた、香川県・直島の地中美術館で購入した草間彌生のかぼちゃ手ぬぐいを使って、トートバッグを作成中です。

 手ぬぐいとして使うより、1枚の絵としていかしたい!と思って作成し始めましたが、意外と大きくなってしまいました。2泊3日位の旅行には十分使えそうなサイズ。
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 サイドにも立体的なポケットをつけ、ちょっと手間をかけて作っています。

 出来上がりをお楽しみにぃ。

             つばき

by bigcamellia814 | 2010-05-16 01:24 | TSUBAKIng Times

6月4日公開!

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 6月4日から公開です!
SEX AND THE CITY2!

私は断然!サマンサが好き!

劇場版SEX AND THE CITYのラストなんてサイコーでした!
サマンサぁぁぁぁぁ、天晴れ!
常に欲望に忠実で、ステキです!

また、男に舌なめずりをするサマンサが見られるかしら?
期待しています!

          つばき

by bigcamellia814 | 2010-05-16 01:17 | my favorite

マーガレットとヒマワリちゃん

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 ハンカチのすみっこに小さな刺繍を入れる贅沢。たったコレだけで、私は育ちのイイお嬢様になったような気持ちを味わいます。

 姉の幼稚園の先生は、園児の誕生日ごとに、刺繍入りのハンカチをプレゼントしてくれる人でした。私はそれがうらやましくて、うらやましくて。「私も幼稚園生になったら、刺繍入りのハンカチもらうんだー!」と期待度満々で入園した頃には、その先生は異動され、残念ながらあこがれの刺繍入りハンカチを私が手にする事はありませんでした。

 先日、時間をつぶすために立ち寄った梅田の阪神百貨店で、偶然、ハンカチに刺繍を入れてくれるサービスに目がとまりました。そう言えば、「一度、オーダーしてみたかったんだ。」と思い出し、カタログから熱心に選んだデザインがこちらのふたつ。
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 お花をイメージしたドレスを着た女の子。マーガレットとヒマワリちゃんと呼んでいます。

 かわいい~!かわいいよ~!
私、刺繍してあるものが大好きなんです!

 刺繍1個に付き500円。
大きさ、デザインの複雑さに関わらず、一律500円。
だったら!ってことで、数あるサンプルの中でも、大きくて、デザインも凝っているこの2つを選びました。

 誰に見せる訳でもないけど、ひとり満足。

              つばき

 

by bigcamellia814 | 2010-05-13 00:20 | my favorite

間接的殺人

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 普天間問題について、熱心に運動をしている友人がこう言っていた。

 「確かに関心をもって聞いては聞いてはくれてるんだけれど、やっぱり返って来る言葉が人ごとなんだよね。自分のところには基地は来ないと思ってる。」と。

 かつて、知念ウシさん(ライター)が書いていた文章を思い出した。


 「沖縄が好き。癒やされる」。どこにでも入れる魔法の無料チケットみたいに言う。いつも思うんだけれど、この人たちは沖縄から帰ったあと何をしているんだろう。「ねえ、どうしているんですか?沖縄から帰った五百万人が国会議事堂に直行して座り込めば、沖縄の基地は一挙になくなりますよ。沖縄が好きなんでしょう。基地をなくしてくださいよ。そしたら、もっといい沖縄になりますから」。

 何回か聞いてみたことがあるけれど、みんなシーンとなっちゃうんだよね。「沖縄が好きなら基地を一つずつ、持って帰ってもらえませんか」と言うときもそう。ま、まさか、基地のある沖縄が好き?えっ、まじ?!

 もし、基地があるのがお好きなら、ますます、どうぞ、テイクアウトでお願いします。

 
 数年前、辺野古で新基地建設反対運動を行なっていた牧師・平良夏芽さんのお話を聞く機会があった。辺野古と言えば、ジュゴンや環境への負荷が話題にされがちだ。もちろんその事も重要だが、それ以上に問題なのは、アメリカが起す戦争に加担しているという事実だといった内容を話しておられた。「沖縄の基地から、イラクやアフガンに向け戦闘機が飛んでいく。沖縄の人達は、戦争に加担している加害者であるという思いを抱えている。」という言葉を聞いた時、私はその様なリアリティをもって沖縄の基地問題を考えたことがあっただろうか?とガツーンと頭を殴られたような衝撃を受けた。

 2007年にタンザニアを訪れた時、キリマンジャロの麓の街、アルーシャに滞在した。キリマンジャロの頂上を覆う雪は、地球温暖化の影響で、あと十数年もすれば消滅すると言われている。

 しかしどう考えても、この山の麓に暮す人達の生活が、キリマンジャロの雪を消滅させるほどにCO2を排出しているとは思えない。あまりにも質素だ。

 あぁ、私達が排出するCO2が回りまわって、私が暮す場所から遠く離れた所に住んでいる人々の生活を追い詰めていく。これは間接的な殺人であり、私はそれに加担している加害者の一人でもあるのだと、そびえるキリマンジャロを眺め痛感した。

 その思いをキリマンジャロだけに留めておくか、
そこから、普天間やそれ以外の問題にも、その視点や痛みを応用できるかで違ってくるように思う。

 自分が直接手をかけた訳ではない。
それは、私の目に触れることもない現実かもしれない。
見なければ一生見ないですむ、
心も耳も傾けなければ、一生気付かないですむことかもしれないけれど、
無自覚にいるその事が、
間接的殺人に関与し続ける私を生き延びさせるのだろう。

 間接的殺人という言葉を思いついた、アルーシャの街角。
それに気付いた自分を忘れてはいけない。

                つばき

 

by bigcamellia814 | 2010-05-12 11:24 | TSUBAKIng Times