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夕焼けのサンドイッチ~奈良・猿沢池の夕焼け

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by bigcamellia814 | 2005-11-28 07:31 | TSUBAKIng Times

a0038862_1749435.jpg 興福寺、春日大社、東大寺、奈良の名所を観光した後は、町屋が軒を連ねる奈良町を散策しに出かけた。そこで、以前、ある女性誌に取り上げられていた『ならまち文庫』という、古本と雑貨を扱っている小さなお店を発見。そこで頂いてきた『組画&ならまち文庫新聞』に載っていた、ホラー漫画家・楳図かずおさんと奈良を舞台にした映画をよく撮っている映画作家の河瀬直美さん(昔、彼女の作品とトークショーを見に行った事があったなぁ。私が好きな奈良の吉野の風景を愛情深く映像にされている方です。)の対談を読んで思ったあれこれ。

 『道とものを考えることは直結していると思う。道のないところに哲学は生まれてこない。車がA点からB点に急ぐだけの道路はいっぱいあるけれど、そういった道路では哲学は生まれない。今の日本が混乱しているのは、道路は増えたけれど、道がなくなったせいじゃないかな。』

 『道は人間の生活と一緒にあったはずなのに、文明が進化してくると、経済の便利性のみ求めるところにいっちゃって、道が日常から掛け離れたものになってしまった。道は考える場所として僕は生きてきたので、道が道路になった時点で、僕とは縁がないなぁという思いで、いつも道を探して歩いているんです。』・・・これは楳図さんの言葉。

a0038862_18365122.jpg この言葉と出会う前日、インターネットで偶然に読んた見ず知らずの方のある日記。
 子どもを連れて車通りの激しい道を歩いていた時の事。少し先を行く子どもが、車が横切る瞬間に、その影を踏まない様にジャンプしながら歩いている様子を見て、「やった、やった。私も、やった。」と思い出す。聞けば、毎朝、友達とそうしながら通学しているらしい。

『「通学するときでも遊んじゃうその心」が子供らしくていいなあと あらためて羨ましく思った。』

『今の私は出かけるときにはただひたすら目的地に着く事だけを 考えている。 それはちょっとつまらない気がしてきました。。。』 ・・・という書き手の方の言葉。私は、思わず深く頷いた。

 『A点からB点に急ぐだけの道路』がいっぱい増えた事によって、『ただひたすら目的地に着く事だけを考えている』人達を増やしてしまったのかもしれない・・・

 この時期、居間に座っていながら、日の出と共にオレンジ色に染まった雲海を一望出来るような山の頂上で生まれ育った私にとって、道は最高の遊び場で、それでいて、一人で悩んだり、誰かを思ったり、空想したり、泣いたり、そんな自分を元気づけるために大声で歌ったりする場所だった。

a0038862_19551938.jpg 子どもの頃は、通学路が遊び場の全てだった。季節によって様々、白つめ草やレンゲの花で編む冠、上級生が採ってくれたアケビの味、山百合を採るために急斜面を登った事、どんぐりを拾って笛を作りながら帰った事。歩きながら、安全ピンでどんぐりをほじくって笛を作る。考えてみれば、信号もなく、車の通りもほとんどなく、周りの人は皆、私がどこんちの子どもか知っている様な町だったから出来た事なのかも。
 小学校1年の時、上級生の後をついて、すごーく遠回りして帰る大冒険を試みた。家に着いたとたん「帰ってくるのが遅い!」と心配していた祖母に激しく怒られた。母は、泣きじゃくる私に「よく帰ってきたねー。どこ通って帰ってきたん?遠いのによう歩いて帰ったねー。」と声をかけ抱きしめてくれた。子どもの私にとって、道は遊び場の宝庫だった。
 広島で、小学校1年の女の子が殺害され、ダンボールに入れられた状態で発見されるという事件が起きたばかりだが、遊び場であり学びの場である道が、どんどん安全じゃなくなっている。

 空想と思いを馳せる事が日常だった私は、道を歩きながら、いろんな事を考えた。歩いているという感覚を忘れる程、脳の中では様々な事が展開している。「何で、うちの家族は仲が悪くて毎日ケンカするんだろう?5歳の私が傷ついていないとでも思っているのか!」と泣きながら登園した通学路、高校生の時、綺麗な月を見上げ、「湾岸戦争の渦中にいる人達は、こんな風に『月が綺麗だ。』と見上げる事もないのだろう・・・」と絶望的な気持ちになった日の暮れた帰り道、好きになった男の子との数々の妄想、そして実現への期待を膨らましながら歩いた道。
 
 今でも私は、現実と空想と妄想が入り混じった独り言を、頭の中で展開させながら道を歩いている。そしてまだ、私が住んでいる長田には、かろうじて、考え事をしながら歩ける道が残っている。

 けれど私の日常は、A点からB点、目的地に正確な時間に到着しなければならない毎日の繰り返しだ。時々、時間に追われて何やってんだ?と思うが、それが仕事だから仕方ない。

 だけど、そうしないでいい時くらい、しっかりわき道、より道、みちくさして帰ろう。そういう人が居なくなった町には、『道』が消え、『道路』が幅を利かせる様になっちゃうのだから。

                              つばき

by bigcamellia814 | 2005-11-27 19:53 | 言霊

あらためて見てみると・・・

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 仕事で、奈良に行った。障害のある方のガイドヘルパーとして奈良の名所を観光してきた。

 20年ぶりに見る、東大寺の大仏。小学校の修学旅行以来だ。
 それ位昔の事だから、私の記憶にあるのは、「確か、東大寺の前で写した集合写真には、鹿
 が一緒に写ってたよなぁ。」ってそれ位。
 20年の歳月を重ね、あらためて見てみると、なんだか感動すら覚えた。
 私がその大きさに驚いたのは、大仏よりもむしろ東大寺そのものの、そしてその敷地の広さ。
 それから、大仏は写真撮影が認められてる事。

 興福寺にあった千手観音は、なかなかエキセントリックな風貌で、右から左から正面から、食い入る様に眺めてきた。『千の慈眼で民衆を見つめ、千の慈手で民衆を救う』と言われる千手観音。四方八方に広がるいくつもの手には、蓮の花とか、鉈とか、ムチの様なモノ等、様々なモノを持っている。私の悩みは、あなたのどの手で救って頂けるのか?そんな事を考えながら、ひとつひとつ確認していくのは面白い。しかし、神という目に見えない存在を、あれ程奇想天外に偶像化した、まず初めの誰かさんを、私は心から尊敬する。
 
 年を重ねて初めて分かる面白さ、魅力がある。
 12歳の私が、同じあの場所で、何を感じたのかは今はもう思い出せない・・・

                         つばき

by bigcamellia814 | 2005-11-27 17:27 | TSUBAKIng Times

あらたなるマイブーム~断食道場~

a0038862_16262591.jpg 好奇心が旺盛なのは私の最高の長所だと思うが、「アレもしたい!」「コレもしたい!」と次から次へと湧いてくる欲求に、「あぁ、やりたい事、全部やろうと思ったら人生80年なんて全然足りないんじゃないか・・・」と急に寂しくなって、落ち込んだりもする事もある私だ。

 そんな私に訪れた、あらたなるマイブーム。それは『断食道場』。
先日、友人のブログの中に「断食」なる言葉を見つけ、ここしばらく忘れていた『断食道場』への思いが再燃した。

 私が断食に興味を持ったのは10年前の事。知人にお願いされ、ブルースシンガーの近藤房之助さん(ちびまる子ちゃんの主題歌「おどるポンポコリン」を唄っていたB.Bクィーンズのあのオジさん。本当にかっこいい方です!)のライブにて、楽屋のお世話をさせてもらった時に遡る。ライブが終わった後の打ち上げで、私は、近藤さんの目の前に座り、バンドの皆さんも交えて色んなお話を伺う機会に恵まれた。その時、近藤さんが「ハタチの時から体型変わってないんだよねー。若い頃から度々断食してて。」と話されていたのが、私が断食に興味を抱いた直接のきっかけだった。
 確かに、当時40代半ばだった近藤さんの体は、同年代の男性にありがちな体型のそれとは違い、実にスレンダーだった。ボクサーの様にストイックに鍛え上げた体というのとは違うが、ミュージシャンらしいと変に納得させられる、無駄のない体だった。ライブを終え、汗だくで楽屋に帰ってきた近藤さんが、洋服を脱ぎ、上半身裸になった時はドキッとした。長身の彼が、上半身裸のまま、軽くウェーブのかかった長い髪をかきあげる仕草は、実にかっこ良かった。
 「あの無駄のない体は、断食によるものなのか?」彼の上半身を思い出し、しげしげと納得した私。体型だけでなく、彼の歌や所作のひとつひとつに、邪魔な物を感じさせない何かを感じた。

 ここ最近、会う人会う人に「私、断食したい!断食道場行きたい!」と話してまわっている私。やりたい事は、とりあえず口にするタイプだ。一人心の中で目論むという事がまるで出来ない。それを聞いて数人の友人が「絶対!体に悪いって!」と断食を否定。ねぇねぇ、それは断食ってモノを知らない人の発言ですよー!断食にもタイプは様々。水以外は一切飲めないという療法から、生姜湯やりんご汁を取り入れている所もある。もちろんいきなり食を断つ訳ではなく、食事の量を減らしていく予備断食を経て、何も食べない本断食を過ごし、最後に胃腸を回復させる回復食という三段階で行なわれる。
 
 「お金かけて断食するなんてバカらしいやん!家でやればいいやん!」とこれまた数人の友人。そんな事、精神力のない私が出来る訳ないじゃん!例え家中の食料を処分したとしても、近所にはスーパーやコンビニがあるのだから、買いに行くのは容易。テレビ、雑誌、食にまつわる過度な情報はあらゆる所に溢れている。そして、家に居れば、あれをしなきゃ、これをしなきゃと体を動かす、体を動かせば空腹になるのは当然。断食にのみ集中出来る環境を自宅で作るのは難しい。それに断食はれっきとした療法なのだから、アドバイザーの助言を受けながらやるのが賢明だ。
 
 ダイエットというイメージも強いが、私が目指しているのは体の浄化。現にダイエットだけでなく、アトピーやその他の体調不良を理由に、断食を試みる人も多い。もともと日本人は、素食の文化を持つ国。食への刺激が過剰に溢れている場所から、一旦自分の体も心も切り離してみたいというのが、私が断食に惹かれる大きな理由。資料を取り寄せたある断食道場のパンフレットに書かれていた言葉。『断食とは何も食べないことだけを言っているのではありません。体に入ってくるあらゆるものを断つ。現代社会においては、それがストレスであったり、人間関係であったり、様々な体に悪影響を及ぼすものを断つことを意味します。』ー食だけじゃない、あらゆる過剰な情報や刺激から切り離された場所で過ごす時間を持ってみたい。

 断食に必要な日数は最低1週間。出来れば2週間はやってみたいけれど、今、それだけの時間を作る事は難しい。でも、子どもを作る前に絶対チャレンジしてみたい事。そうなれば、ここ数年のうちだな。

 旅でも何でも、目論む時間が一番好き。断食で苦しむ自分は考えない、考えない・・・・

                           つばき

 

by bigcamellia814 | 2005-11-27 16:13 | TSUBAKIng Times

あぁ、この人を好きになって本当にヨカッタッ!

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 あぁ、この人を好きになって本当にヨカッタッ!
私がそう思う相手とは、CRAZY KEN BANDの横山剣さん。
数あるバンドの中からCRAZY KEN BAND(以下CKB)が生み出す楽曲にヤラれ、星の数程存在するミュージシャンの中から、ボーカルの横山剣さんに心酔しきってしまった自分のセンスって最高だ!と豪語する程、横山剣さんは私のど真ん中!彼が生み出すDeepでアジア的で笑える詩の世界観、ジャンルを問わない楽曲の幅広さ、それを歌い上げる剣さんのスバラシイ歌声(本当にうまいです!)、サービス精神に溢れたパフォーマンス、そして粋でセクシーなファッション。メンバーの多くが30代後半まで横浜の港湾で働くサラリーマンだったところから、このオリジナリティ溢れるバンドをココまでのものにしたという経緯、オジサン達がやんちゃなまんまでステージを走り回り、弾けまくる姿は圧巻だ。そう、何もかも、ど真ん中!
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 11月19日、今年最後のCKBのライブに行って来た。CKBのライブは今年これで4回目、剣さんに会うのは今年5回目。葵と、葵の元同僚・ヒガシタ兄さんと、私の同僚・ムラカミ君と一緒に、兵庫県三木市で行なわれたライブに行って来た。(写真は、皆でイイーーーネッ!のポーズで記念撮影。)

 早速、買ったばかりのCKBのTシャツに着替え、ライブに備える椿と葵。この日、車椅子に乗っている葵とヒガシタ兄さんのおかげで、私達が持っているどのチケットよりも前列の車椅子席で見る事が出来た。本人達がお願いしている訳でもないのに、「お客さんが立ち上がってステージが見えなくなった場合は、通路に出て見せてもらう事を了承して頂き、スタッフに周知して頂けますか?」と係員と交渉する私。葵のためと言いつつ、まずは自分のため。ごめんなさい、これでも私の仕事は障害者支援です・・・2人のおかげで、真正面から剣さんの歌う姿を見る事が出来た!

 ライブはたっぷり3時間弱。10月に行った児島のライブとは少しだけ内容も変わっていて、新たな面白さもあり。歌も最高だけど、彼らのパフォーマンスが面白いのよ!『ライブが最も面白いバンド!』と絶賛されるのも当然!何より素晴しかったのは、白いスーツに白い中折れ帽を被って登場した剣さんの粋ないでたち。もう、立ちくらみしちゃいました、椿!あぁ、あまりにも色っぽい・・・40半ばのオジサン達が、めちゃくちゃに楽しんでいる様子を見るのが好きだ。小さな子どもから年配の人達まで魅了するCKB。何より、若い子達からカッコイイ!と騒がれている、あのオジサン達って、やっぱりカッコイイ!
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 ライブが終わって改めて実感。「あぁ、この人を好きになって本当にヨカッタッ!」 私も、粋に生きたい、とことん粋に!

                         つばき
 

 

by bigcamellia814 | 2005-11-21 23:34 | TSUBAKIng Times

Kumusta ka?~フィリピン仲間が神戸に集合!

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 同じ頃にフィリピンに在住した友達3人が神戸に集合!右からミカリン、あや、きょうこ。

 ミカリンは今年3月に帰国。彼女はスクーバダイビングのインストラクター。私と葵がオープンウォーターのライセンスを取った時のインストラクターでもある。私が住んでいたネグロス島ドゥマゲッティには、最高のダイビングポイント・アポ島があるので、彼女が仕事で来る度に夜は一緒に遊んでいた。あの街を同じ時期に共有した日本人の中で、今でも一番仲良くしている友人。セブ島やボホール島を仕事や生活の拠点にしていた彼女とは、なかなか会える訳ではなかったけれど、会うと遅くまで話し込んで、深夜にペディキャブ(バイクの横に4人のサイドカーが付いた様な乗り物)で帰宅すると言う事もしばしば。
 フィリピンでも未開の島・パラワン島を一緒に旅した時は、とんだハプニングの連続だったけれど、大騒ぎしながらも面白かったね。今回は、はるばる仙台からやって来てくれた。

 そして、あやときょうこ。彼女達はフィリピンの東大と呼ばれる、通称UPことUniversity of the Philippinesに交換留学生として在籍していた時、ある友人を介して出会った。クリスマスバケーションを使い、一緒にボホール島を旅したのが初めての出会い。彼女達が住んでいたのはルソン島、私が住んでいたのはネグロス島と離れていたので、フィリピンで会ったのはこの時のみ。帰国してから、更に親密になれた。
 あやは、念願かなって今年4月から某新聞社の記者として働き始めたのだが、偶然にも神戸支局に配属。この日も、大きなカメラを持って、大阪出張の直前に中華街で遊んでいた私達に会いに来てくれ、瞬く間に去っていった。こんなに近くに住んでいても、会うのは数ヶ月ぶり。それ位新聞記者の仕事は忙しい。かなり疲れた表情だったけれど、仲間を前にした時の彼女の表情は緩んでいた。
 そして、きょうこ。10日前にフロリダから帰国したばかり。早速、遊びに来てくれた。1年間働きながらの生活ではあったけれど、見せてくれた写真の表情はイイ顔してたなぁ。ミーハーにも、EMINEM(白人ラッパー。貧しい白人労働者階級に生まれ、不仲な家族の中で育った彼の半生を描いた半自伝的な映画が『8Mail』)のライブなんかにも行っちゃったりしてて、「アメリカっぽい!」との冷やかしに、「椿ちゃんだって、そんなチャンスあったら行くでしょ?」ときょうこ。確かに・・・白人の坊主もかなり好きですから・・・(そう言えば、私がフィリピンに住み始めた頃、EMINEMの曲が大ヒットしてたなぁ。)「あぁ、私、confuseしてる!」なんて一人言を言うきょうこ。「きょうこ、それ恥ずかしい。混乱してると言いなさい。」と私。まぁ、帰国して10日じゃぁ、そうもなるかな。元気で帰国!一先ず良かった。

 私も含めてかもしれないが、この3人に共通しているのは、切り開いていく力強さ、前向きさ、明るさ。そしてなんだかんだ言いながらも、ありえない事が日常茶飯事で起こり得る、はちゃめちゃなフィリピンを、しょうがねーなぁーと呆れながら、それでも愛しているとこ。
 「この人達は大丈夫!」そう思わせるたくましさがある。

 久々にフィリピンの空気が蘇った1日だった。

                       つばき
 
 

by bigcamellia814 | 2005-11-19 10:34 | TSUBAKIng Times

それ、笑えない!

 数日前、午前中ゆったりと出勤出来る日だった事もあり、何とはなしに『はなまるカフェ』を見た。その日のゲストは、あややこと松浦亜弥の物真似で有名な芸人・前田健が登場していた。最近、ゲイであることをカムアウトした彼。家族や友人には10年以上も前に話をし理解を得ていたし、仕事関係者にも話していたので、今回のカムアウトはさほど特別な事ではなかった様だ。4年間、NYで働きながらダンスや踊りを学んだ彼は、そこで自分らしく生きる同性愛者達に出会い、また「表現者」として生きる決断をしていた彼は、自分の大事な部分を偽らずに生きていこうと決め、家族や友人にも話したそうだ。
 ゲイである事をカムアウトしている芸能人がテレビに出ると色物として扱われがちだが、この日のはなまるカフェは、インタビューの仕方も興味本位な感じがなく、非常に自然で、何よりも前田健の普通に堂々としている感じが良かった。テレビの中では、おねえ言葉を話したり、しなを作るゲイの芸能人が持ち上げられるが、この日登場した前田健は、普通の服装で登場し、おねえ言葉を話す訳でもなく、しなを作る訳でもなかった。普通にそこにいそうな青年。誤解している人も居るかも知れないけど、ゲイの皆が皆、華美な服装をしている訳でもなければ、レイザーラモンHGみたいなあんな格好をしている訳でもないし、おねえ言葉を話す訳でもなければ、しなを作りながら歩いたりする訳でもない。多くのゲイは、この日の前田健みたいにどこにでも居そうな感じだ。そして、きっと、その通り、私達の身近な場所に彼らの存在は確実にある。

 テレビ等で、人を揶揄する時「オカマ!」と言ったり、なかなか結婚出来ない中年男性の芸能人に対し「本当はコレなんじゃないの?」としなを作るポーズをし、「実は男が好きなんでしょ?」と言わんとするシーンを見ると、私、完全にシラける!
何それ?全然面白くない!
それ、笑えない!
いつまで、そんなやり方でしょぼい笑いを取ろうとしてんだよ!と不愉快になる。
もう、分かってる。そこらじゅうに溢れてて、別に多くの人は気にしてないって事も。
笑えない私は、そこで笑える理由が分からないし、笑いが取れると思っている感覚も理解出来ない。だって、何が面白いか分からない。

 仕事の関係で、あるキャンプの企画をしている青年と話していた時の事。企画のひとつとして、女装コンテストをすると聞いて、私、間髪入れずに、「そういう企画が何で面白いと思うのか私にはよく分からない。」「何を面白い!と思ってその企画をするの?」とちょっぴり詰め寄った。彼が言葉に窮していたため、別の男性が「気持ち悪さが面白いんじゃない?」と代弁した。女装コンテスト自体を非難する訳ではない。でも、それを「面白い!」と思わされる何かに、私達は注意深くある必要があると私は思う。

 ある番組でピーコが、「おねえキャラの芸能人が増えている事についてどう思うか?」と質問され、言葉の細部まで覚えてはいないのだが、非常に淡々と「そういうのを面白いと思わなくなる様になるといいよね。」という様な事を言っていて、非常に共感した。

 公共の電波を使って、「この、チョーセン!」とか「エタ!(被差別部落出身者に使われる言葉。「士農工商エタ非人」のそれです。」と他者を揶揄した場合、絶対放送コードに引っかかるはずだ。しかし、なぜ「オカマ」と揶揄する事にはこんなにも寛大なんだろう?そして、笑う事を許されているんだろう。笑いを取るために言っても許されるんだろう?なぜ、セクシュアルマイノリティを揶揄する言葉は許されるの?人を揶揄するという安直な笑いに甘んじているなんて、笑いに対する探究心に誠実さを感じない。
 テレビの前で、「あぁ、自分もあんな風に言われるのかも知れない。」と不安になっている人は確実にいる。

 しかし、電波の中では今日も垂れ流し。そんな場面を偶然目にしてしまった時は、「それ、笑えない!」と言葉にする。一緒に見ている人が居るなら、なおさらハッキリと「それ、笑えない!」と言葉にしてみる。小さな抵抗。でも、抵抗し続けたい。

                           つばき

by bigcamellia814 | 2005-11-17 00:15 | TSUBAKIng Times

大阪ブルーノートへ

 30歳を越えたあたりからだろうか、大人になった証に、いつかはBlue Noteに行って、極上の音楽を聴いてみたい、そう思っていた。今年の密かな目標・・・
 
 それが昨日実現した。
今まで色々と面倒をかけられた友人が、その罪滅ぼし(?)にと、新しくなった大阪Blue Noteに招待してくれた。お詫びの印にBlue Note。上等じゃない。まぁコレは私のリクエストでもあったのだけれど、音楽好きの友人は私のリクエストを快諾し、チケットを押さえてくれた。

 せっかく招待してもらうのなら、Blue Noteで一番値のはるミュージシャンがイイ!と現金な私は、14000円もするBoys ⅡMenを希望したが、友人の都合で14日しか空いていないとの事。しかし、その日は偶然にも、私の好きなHipHopのミュージシャンSPEECHのステージの日。残り少なくなったチケットを急いで友人に押さえてもらった。
a0038862_21482939.jpg 実は98年に、アトランタでSPEECHに会った事がある。当時、アトランタに留学していた友人が、突然クリスチャンになり、通っている教会にSPEECHが居るんだという手紙を貰った。その夏、メキシコを旅する予定だった私は、せっかくだからとアトランタに立ち寄り、明日アトランタを発つという前夜に教会(と言ってもコミュニティセンターの様な場所だったが)のミサでSPEECHに会う事が出来た。(←左がその時一緒に撮ってもらった写真。SPEECH、イイ笑顔だね。私、ぱっつんぱっつん!ですね。恥ずかしい・・・)

 アトランタをはじめとしアメリカ南部は、聖書に書かれている事柄に忠実に行動する事が大切にされる地域の様で『バイブル・ベルト』と呼ばれている。97年にクリスチャンになったSPEECHは、その教会でもリーダー的な存在だった。

 だからとでも言うのだろうか、彼の音楽のジャンルはラップだが、多くのラッパーのそれとは違い、暴力的な歌詞がほとんどない。大学時代から、人種差別等についてコラムを執筆してきた彼の詩は、差別の中を生きる黒人の現状を歌い、愛と平和を求める、そんな言葉に溢れている。そして、メロディも優しい。
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 彼の音楽に初めて出会ったのは、映画監督・スパイク・リーの作品『マルコムX』を見た時の事。ARRESTED DEVEROPMENTと言うバンドのフロントマンだったSPEECHが、エンディングの「REVOLUTION」と言う曲を歌っている。力強い歌だ。
 
 アトランタで彼に会った時、とびきりの優しい笑顔でハグをしてくれたSPEECH。当時ろくに英語が喋れなかった私は、「あなたの音楽が好きです。」ぐらいの事しか言えなかったんじゃないだろうか。少しの会話と一緒に写った写真、そして、サインしてもらったCD。それは今でも大事に取ってある。スカートの様な、アフリカの民族衣装を身にまとい、ベビーカーを押しながらホールを歩いていた彼の姿を今でもよく覚えている。

 新しくなった大阪Blue Noteは、阪神梅田駅から徒歩3分、地下通路からダイレクトに入店出来る利便性の良い場所にリニューアルオープンした。私達が見たのは2ndステージ。ステージは9時半からスタートする。会社帰り、スーツ姿でお店の中に入っていくサラリーマンの姿がさまになる。ホール前で、クロークのスタッフがコートと荷物を預かってくれる。ライブハウスみたいに、コインロッカーに荷物を押し込めるのとは違います。そして、席までスタッフがご案内。中央のステージの後ろには、青いカーテンに白く映し出されたBlue Note という文字。全体的に黒を基調にした店内。ステージ前には、4人がけのテーブルが並び、ゆっくりお酒や食事を楽しみながら音楽が聴ける。ウワサに聞いた事があるでしょうが、さすがBlue Note、お酒や食事も値がはります。けれど、しっとりと落ち着いた雰囲気、サービスされる事の心地よさ、思わず友人の目を見つめて、「今日はありがとう!こんな場所に来れて、私、嬉しい!」と微笑んだ。

 SPEECHのライブは久々だった。5~6年前、心斎橋クラブクアトロで行なわれた彼のライブを最前列かぶりつきで見たのが最後。最近は、久しく彼の音楽も聴いていなかった。久々に聞き直した彼の歌は、やっぱり良かった!ミッキーマウスの様な口で笑うSPEECHの目がたまらなく優しい。この笑顔で、私にも微笑んでくれたよな。座席に座って聞いていた人達も、始まって数曲目には総立ち。最近の曲は予習してなかったけれど、良く聞いていた当時の曲が満載で、体がリズムを覚えていた。SPEECHの耳に心地よいスピーディなラップ、コーラスのニーシャの声量。お腹の底から生まれる彼らの歌声に、私は再び魅了された1時間半。

 Blue Noteを出て、「あぁ、楽しかったねー!」と私。「想像以上に良かったよ!」とSPEECHのライブを初めて見た友人。Blue Noteから流れてきたお客が口ずさむ声が、地下道に響く。
♪And I say. Hey-yeah-yeah-hey
hey-yeah-yeah
I say,hey What's going on?♪(The Hey Song)
だから私も一緒に口ずさんでみる。地下道に私の声。

 あぁ、いい夜だった。
 これからも、たまには、こういう贅沢に投資しよう。今度は自分で。

                            つばき

by bigcamellia814 | 2005-11-15 23:57 | TSUBAKIng Times

竹中 直人

 数日前、以前の職場の同僚が、出張で神戸に来ていると言うので、数年振りに再会した。社会人になって10年以上にもなるのに、未だにスーツ姿が初々しい彼をJR三宮の中央改札の前で発見。相変わらずの姿に、すっかり気持ちも和む。

 私達は入った居酒屋で3時間以上、喋って、喋って、喋りまくった。映画好きの彼は、映画の話になるととりわけ饒舌になる。私は、自分が見た映画に対し、彼のコメントを求めるのが好きだ。互いに持つ好き・嫌いのポイントが浮き彫りになるだけでなく、心が動かされるポイントや、その映画の新しい見方に出会う瞬間は、相手の感性を探求している様で面白い。

 彼が、今年最も最悪だった映画として名前をあげたのが矢口史靖監督の『SWING GIRLS』。最悪だった理由は色々。彼は、感情的になりながら最悪な理由を列挙した。その最悪な一例として、数学教師役で登場していた竹中直人のワンシーンについて語りながら、「竹中直人に、あぁいうキャラクターの芝居を求めるの、もうやめて欲しい!」と言った。あぁ、この人わかってる!竹中直人の奥深さを分かってる!黙って聞いていた私は、思わずその批判に参戦した。

 私は竹中直人が大好きだ。「好きな俳優は?」と聞かれて、私が一番に名前をあげるのが竹中直人。もう、10年以上も前から、それは変わらない。役所広司じゃなく、竹中直人見たさに、『Shall we ダンス?』も公開と同時に見に行った。私が「竹中直人、すごくカッコイイ!」と言うと、たいていの人の意思表示は同意ではなく首を傾げるだ。「オモシロイよね。」「いい役者だよね。」と言うコメントは返って来ても、「カッコイイ!」に同調してくれた人はいない。確かに小柄だし、所謂男前とは違う。

 しかし、芝居をしていない時の竹中直人の声を聞いた事があるだろうか?これが素晴しくセクシーなのだ。ワイドショーを見ていた時、ある芸能人の葬儀に参列していた竹中直人が、リポーターのインタビューに答えている、その声を聞いた瞬間から、私は竹中直人に魅せられた。なんて深い声をしているんだろう。

 そして、彼が着こなす洋服。ちょっと奇抜な色彩のスーツ、タイトなシングルのジャケット、裾が少し短めのスリムなパンツ、そこから覗く靴とのバランス。私は、この丈のパンツをうまく着こなしている男性を魅力的に思う。

 坊主とひげに確実に弱い私。小柄とは言えど、彼のルックスは私にとって充分理想的だ。映画等では変わり者の役が多く、濃いキャラクターを演じ、脇役ながらも確実に存在感のある役者であるが、演じている時以外は、物静かで控え目な感じも魅力的だ。それに、繊細な人物を演じさせた時、彼の役者としての魅力は一層際立つ。私は、そう思う。

 『Shall we ダンス?』や『ウォーターボーイズ』にしても、『ピンポン』や『SWING GIRLS』にしても、監督が彼に求めるキャラクターは似かよっている。どこか要領が悪くて、周囲の笑い者。大きなコトを言ってはみるが、気が弱い。どれも、よく似た様な役どころ。確かに彼の演技は面白い。竹中直人が登場した場面には笑いが集中する。脇役ながら、彼の存在は大きい。でも、そういうイメージが定着してる、そんな気がするのだけれど、どうかしら?「動」や「騒」のイメージではなく、「静」を感じる彼の演技を堪能したい。

 先日公開されていた、竹中直人監督の映画『サヨナラCOLOR』を見そびれてしまった。この映画、どんな竹中直人に出会えるだろうか。

 彼が、フッと恥ずかしそうに笑う表情が好きだ。

                         つばき
 

 

by bigcamellia814 | 2005-11-12 21:13 | my favorite

復活!

 修理に出していたパソコンも、治療を終えて無事帰宅。
手から滑って壊してしまったデジカメも、高い修理費払って、再び私の手元へ。
今朝、やっとパソコンをつなぎ、この様にブログを更新出来る様になりました。
楽しみにしてくれていた方、お待たせしました!
これからも、はりきって更新していきます!

 しかし、パソコンが手元になかったこの10日程、それはそれで快適だったなぁ。
パソコンに時間を占領されない状況が、新しい時間の使い方を考える機会になりました。
誰かに何かを伝えるコト、発信するコトはとても素敵だけれど、
他者を意識しない、
共有しない、
自分の内側に留める事も魅力的です。

 今後とも『下町長田は百花繚乱』お楽しみに!
      
                               つばき

by bigcamellia814 | 2005-11-12 19:12 | お知らせ