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ふるさとに持ち帰る~ウチナーの言葉~

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 久々に「コレ、気に入った!」と直感が走り購入したこのカバン。長田第一商店街の中に昨年出来た、全国最大級の(沖縄を差し置いて最大なのか?と言う疑問はあるが・・・)沖縄物産店「琉球ワールド」を久々に訪れた時のこと。2階フロアの一角で行なわれていた、沖縄の若手デザイナー達の作品展。ジュエリーや小物、洋服が飾られていた中で、私の目を引いたのがこのカバン。ブランド名は木花。木の花と書いてBoccaと読む。印花布と呼ばれるこの布。ルーツは中国。天然素材の藍で染められた印花布は、沖縄の伝統的な染め「紅型(びんがた)」や「藍型(えーがた)」のルーツと言われているそうだ。マフラーの様に首から提げられたこのカバン。使い方は様々、使い手のアレンジ次第で何通りにも変身可能。首から提げてベスト風に身に着けるも良し、マフラーとして首に巻くも良し、型から斜めがけするのも可愛いし、腰に巻くのも粋だ。両端がリバーシブルのポケットになっているので、お財布や携帯を入れたり出来るれっきとしたカバン。(木花(Bocca)の作品はこちら。

 20代の頃に比べると物欲が減退してきた今日この頃。ファッションやコスメにお金を費やす事が以前より確実に減った。一番の理由は、給料の安さだと思っているが、「たったコレだけのモノで人って生きていけるんだ。」と言う事教えてくれたフィリピンでの生活や、バックパックひとつでの一人旅の影響は大きい。その上、ある程度、裁縫の知識と技術がある私は、「コレ、どうやったら作れるかな?」と言う視点で物色するに留まり、購入にまで至らない事が多い。

 このカバンも、一瞬「作れそう・・・」と思ったけれど、購入する気にさせられたのには訳がある。デザイナーの名嘉恵利子さんが話してくれた、印花布のルーツ、そこに描かれた模様の謂れ。何よりも、それを語る時の彼女から、自分達が生み出した商品に対する自信とこだわりと愛情を感じた。沖縄が培ってきた文化や風土。内地にはないそのオリジナリティを誇りに思い受け継ぎつつも、若い世代の彼女達が、伝統と現代性を融合させ、新しい世界を、ちょうどいいペースで、楽しみながら作り出していっている姿を感じた。それは、「そーゆう人の作品を身につけたい!」と思うに充分な理由になった。

 「沖縄出身の私の友達、卒業後はみんな、沖縄に帰りましたよ。」と私が話すと、「沖縄の人は、『学んで沖縄に持ち帰る』と言う考えの人が多いですね。」と名嘉さん。『学んで持ち帰る』。生まれた時から過疎化が進んでいた町に生まれた私には、そこは出て行く場所であって、そこに何かを『持ち帰る』なんて場所ではまるでなかった。仕事がないから人々は都会に出て行く。「終わっていく町」の最後を見る前に、私は新しい場所を探さなきゃ、そんな思いがあるのかもしれない。現に私は、「生まれ育ったあの場所に、もう住む事はないだろう。」と確信に近い気持ちを今この瞬間も持っている。

 楽園の様なイメージとは裏腹に、深刻な基地問題を抱えている沖縄。「現実は、ヤマトの人が思ってるより血なまぐさい。」と沖縄出身の友達は言った。戦争の中で日本政府の捨石にされ、今現在も在日米軍基地の75%が集中している。
 そして沖縄は、日本の中で最も失業率が高い。職がないと言う点では、私の町と同じだ。しかし、私の友人も含め、「沖縄に帰りたい!」そう思わせるものは何だろう?過疎化が進み、仕事がないと言う事を理由に常にそこから出て行く事は考えさせられて来たが、そこで生きる事の可能性や希望の持ち方を見せてくれる大人はいなかった。沖縄には、あの街で生きていく可能性や希望の持ち方を、若い人達に見せている大人のモデルがたくさんいるんじゃないだろうか?

 中央から離れている沖縄。だからこそ、ないモノは自分達で生み出す、楽しめる場所を自ら作り出していくのだと名嘉さんは話してくれた。自分達の街を自分達で作っていく面白さ、自分の居心地の良い場所を広げていく面白さを彼女は満喫している感じ。中央に目を向けるのではなく、自分の生まれ育った足元を見る。中央ばかりからの発信に捉われがちだった人々を、沖縄からの発信にひきつけていく。内地にはないオリジナリティを持った沖縄、そこに誇りと愛情を抱いている人の多さ。同世代の彼女達が、これから先、沖縄の伝統をどんな風にアレンジしていくのか楽しみだ。

 作り手の生き方や、生きている場所が見えてくる作品は、長いこと愛し続けられそうだ。

 デザイナー・名嘉恵利子さんのブログはこちらです。

                  つばき

by bigcamellia814 | 2005-09-28 21:43 | TSUBAKIng Times

男を褒めて育てる!?

 先週末から我が家に滞在していた友人が、昨日旅立った。東京を経由して、長い旅に出るらしく、北海道から顔を見せにやって来てくれた。友人の名前は大ちゃん。

 2003年の1月、バックパックを背負い、グレイハウンドバスに乗ってアメリカ大陸を東から西に横断する旅を試みていた私は、サンフランシスコのユースで彼と出会った。私はそのユースに1泊だけして、翌日にはメキシコのティファナを目指す予定だった。その夜、そこに滞在していた日本人5人で意気投合し、ユースの食堂で遅くまで話をした。大ちゃんはその時の一人。「日本で再会しようね!」と約束し合った5人。約束してもその場限りなんて事も多いのだが、この時のメンバーとは日本での再会も実現し、今でも連絡を取り合っている。その中でも大ちゃんは、一番連絡を取り合っている人だ。

 私と葵が仕事に出ている日中、我が家で過ごす予定の大ちゃんに、「布団干して、それから浴衣洗っといて。それとトイレットペーパーと卵と、何か安い野菜買ってきて。」とお願いした葵。

 夕方我が家に帰ってみると、私が朝干していった布団と洗濯物が綺麗に畳まれている。散らかった、大ちゃんのバックパックの中身も整理され、私の部屋も朝よりこざっぱりしている。ベランダを開けると、お願いした浴衣もきちんと干してあるではないか。しかも、浴衣用のハンガーがないので、葵の便利棒(室内では這って生活している葵。手の届かない所にあるスイッチを押したり、荷物を取ったりする時の為に使う。)を紐で竿に括り付け、即席の肩幅の長いハンガーを作り、袖がたるまない用に干しているではないか!浴衣を干す時は、袖をピーンと張って干さなければいけないと言う事に気づいた点、それ用のハンガーがないので、その場にある物で工夫し対応したという応用力に感心したのだ。 う~ん!なかなか気が利く!

 友人との夕食を終え帰宅してきた大ちゃんに、「大ちゃん!お願いしていた事、完璧にやっててくれてありがとう。上手だったよ。特に、浴衣の干し方には感動した。」と繰り返し伝えると、「俺さぁ、褒めて育てようとするの嫌いだから!」と一蹴されてしまった。いやぁー、感謝の気持ちを込めて、ちょっと褒めてみただけで、あなたを家事能力のある男に育て様なんていう使命感はまるでないんですけどね・・・しかしスバラシイ!間髪入れずに言われた、この一言!

 もしコレが、男性の大ちゃんではなく女性だったら、私はココまで感動し、お礼の言葉を伝えただろうか?たぶん、そうはしなかったはず。そこまで期待していなかった人が、期待以上の事をしてくれたからこそ、私は喜びの気持ちを伝えたくなったのだ。自覚していなかったにしても、大ちゃんの家事能力に大して期待していなかった事(大ちゃんには失礼な話)。どこかで男性より女性の方が家事能力が高いと思っている事。一般的にそうでも、そうじゃない男性も確実に増えている代わりに、家事能力の低い女性も確実にいるという事実。そんな事実よりも刷り込まれたジェンダーバイヤスの方が自分の内部で先行していた事。女性が感謝や賞賛もなく当たり前にやって来た事を、男性が出来たからって、なんで私はちょっとばかり大袈裟に感謝の気持ちを述べ、賞賛を送っているのか?自分の内部に取り込んだ、ジェンダーバイヤスに気づかされた一言。

 家事能力がなく、家事に非協力的な男性を協力的な男にするため「褒めて育てましょう!」なんて、大の男の育て直しを唱えたりする人がいるが、正直私は「付き合ってられるかよ!いい年して、自分の事位自分でしろ!」と思う方だ。だってそれは生きていく術だから、自分で出来なくてどーするよ!生きていく為に必須なのだ。男でも女でも。大ちゃんの一言、「俺さぁ、褒めて育てようとするの嫌いだから!」、この言葉には「バカにすんなよ!それ位やれんだよ!褒められる様な事じゃねーよ!」ってちょっとばかりの強がりと、でも対等性を目指す気持ちが感じられる、心地よいパンチだった。
 
 取り込んだジェンダーバイヤスと、それに基づく男性への偏見と絶望感を見つめ直す必要があるのは私の方かもね。

                  つばき 

by bigcamellia814 | 2005-09-23 14:47 | TSUBAKIng Times

青春18切符日帰り名古屋みそかつツアーⅢ~途中下車してひっかけ橋で待ち合わせ

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 『みそカツ』『喫茶マウンテン』、たぶんレプリカの金のシャチホコ輝く『名古屋城』と一点豪華主義の『名古屋嬢』を堪能した私達は、名駅で『つけてみそ かけてみそ』と言うベタな名の味噌だれを購入し、「これで我が家でもみそカツ!みそカツ!」と喜びながら、16時前には名古屋を出発。急用で東京から大阪に来ている友人・卓くんと、急遽心斎橋で再会する事になったのだ。葵の初名古屋、滞在時間5時間半!しかし、それなりに堪能しました名古屋の食文化!

 19時過ぎに、大阪・心斎橋のひっかけ橋の真ん中で、卓くんと再会。既に目が赤く、酔っ払い気味だ!彼との再会は2年ぶり。

 卓くん、こう見えてすごく素敵な唄を歌う人。(彼の歌が試聴出来るよ)かつて『少年海賊団』と言う名のグループで井の頭公園に出没し、童謡を歌っては、公園を訪れた親子連れを楽しませていたのだ。私と葵のお気に入りは『かあさん寝たかいな』と言う唄。これね、絶対NHK『みんなのうた』に採用されてもおかしくない!10月に来神予定の卓くん!それに合わせてウチの近所のCafeBarでライブをやろうと計画中。詳細は後日ブログにて!

 この日は、1時間半程の短い再会。難波でラーメンを食べ、ひとしきり話して、高速バスの乗り場までお見送り。いい感じに力が抜けた男。だから、生まれてくる音楽も優しいんだ、きっと・・・

                   つばき

by bigcamellia814 | 2005-09-16 00:37 | viaje(旅)

青春18切符日帰り名古屋みそかつツアーⅡ~超!B級グルメ喫茶・マウンテン

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 「みそカツ」でお腹も心も満腹になった椿と葵。今日の旅の目的は既に達成したぜ!と満足気味の私達を次なる場所、名古屋が誇るB級グルメの最高峰、『喫茶マウンテン』へと案内してくれたメグ(写真左)。

 手羽先、みそカツ、みそ煮込みうどんにひつまぶし、これらが名古屋グルメの表の顔なら、この店・『喫茶マウンテン』で出されるメニューは、名古屋グルメの裏の顔。しかし知名度は表の顔に負けず劣らず。この私でさえ、テレビで何度も拝見した事がある『喫茶マウンテン』。あなたも一度位見た事があるはず!名古屋人の味覚に対する発想の奇抜さと、キャパシティの広さに感嘆するメニューのオンパレード!とりわけ有名なのが、スパゲッティがメロンパン風味の「メロンパン風スパ」、苺風味のピンクのスパゲッティの上に、生クリーム、苺、キュウイがトッピングされた「甘口苺スパ」、抹茶の色をしたスパゲッティに生クリーム、あんこ、栗がトッピングされた「甘口抹茶小倉スパ」。(『喫茶マウンテン』で検索すると、色んな人が写真付で紹介しているので是非見てね!)スパゲッティの風貌をしていながら、甘いのです!生クリームとかのっけちゃって、ビジュアルがメルヘンなの。

 人間の味覚や食感・胃腸の働きというのは、メニューを聞くだけで、その人の過去の食体験から、そのメニューにあった味覚や食感を期待し、胃腸の方はそれを受け入れる準備段階に入ると思うのだが、そういう期待や準備をことごとく裏切ってくれるメニューの数々。しかし、炎天下、店先に行列を作る人々は、その確信犯的な裏切りを期待してココにやって来る。

 しかし、来ている客層が独特なのだ。眼鏡をかけた男性の割合が高いのなんのって。なんかオタクな雰囲気の人達ばかり。今流行のアキバ系「電車男」的オタクではなく、椿が推察するところ、コミケ系オタクな雰囲気。コスプレしてマンガの同人誌を売ってるそんな人達ね。出された「甘口苺スパ」や「甘口抹茶スパ」を高尚な言葉を使って、神妙な顔で分析し合っている。おい!オマエらはB級グルメ界の服部先生かい!分析しあう男達の中に紅一点。「もっとマウンテンを満喫しよー!」と食が進まぬ男達の甘口スパにフォークをのばすのはゴスロリファッションの女の子。しかしイマイチ中途半端な仕上がりのゴスロリ!「ゴスロリ決めるなら、中途半端にやるなよ!」と同時にツッコむ葵と椿。悪趣味と言われても、喫茶店でそ知らぬ顔して、隣の客が話している内容を聞くのが結構好きな椿です。

 私達は、最初から「甘口スパ」系を注文する気はなかったので、梅ジュースがかかった大きなかき氷を3人で注文。マンガ日本昔話でテンコ盛りに盛られたご飯の様なかき氷。この店、何を注文してもとにかくデカイのです。その上、「甘口スパ」をはじめとする奇妙なメニューの数々。奇をてらったメニューは、集客力はあるけれども、築いてきた味覚の経験値を根底から覆す様な味を人々が受け入れるには限度がある。注文した料理を残す人の多い事、多い事。

 「この店、毎日すごい残飯が出るんだろうねー・・・」それが、私と葵のマウンテン初登山の感想。

                 つばき 

by bigcamellia814 | 2005-09-15 23:57 | viaje(旅)

青春18切符日帰り名古屋みそかつツアーⅠ

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 9月3日(土)、残った青春18切符で、葵と共に「みそ煮込みうどん」と「みそカツ」を食べに、一路名古屋へ!JR新長田を6時前に出発。名古屋に着いたのは10時半。話題の愛知万博には目もくれず、目指すは「みそカツ」「みそ煮込みうどん」。

 名古屋駅で出迎えてくれた、葵の大学時代の後輩メグ(名古屋よりの三重県在住)の車に乗り込み、カーナビを頼りに、彼女が事前に調べておいてくれたお店を目指す。

 1件目、有名な「みそ煮込みうどん」屋さんは残念な事に昼間は休み。諦めて次は「みそカツ」屋さんを目指すが、11時半からopenとの事。メグの運転で、しばしの名古屋観光。名古屋城の金のシャチホコを眺め、「金のシャチホコ、今、愛知万博に行ってるんじゃないの?あれ、レプリカじゃーん!?」とありがたみもない。

 お腹をすかして、やっと辿り着いたのが、この「みそカツ」。初めての名古屋を訪れて、初めて「みそカツ」を食べた葵の感想は?

 前日、ネットでみそカツ屋さんを調べていたら、食べた人の感想で、「みそカツは味噌に支配され過ぎ!何でもミソるな!」みたいな事が書かれてあったので、ちょっと覚悟してあまり期待し過ぎずに臨もうと思った。・・・のは一瞬、美味しそうな物への興奮は抑えられるわけがありませぬ。支配されるどころか、甘みのある味噌の風味がたまらない、何とも旨い豚カツに仕上がっていました。おいしかったー

                  つばき & 葵

by bigcamellia814 | 2005-09-15 00:17 | viaje(旅)

2泊3日の収穫はバックパックに!~夏の終わりの故郷から神戸へ

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 2泊3日の帰省にも関わらず、必ず持参するバックパック!このカバン、活躍するのは海外旅行だけではありません!行きはカラだが、帰りは満杯。ゆうに10キロ以上は越えている。「実家から送ってもらえばいいじゃん!」と言われても、背負って帰ってこそ増すありがたみ。これ位背負えなかったら、バックパッカーにはなれませぬ。

 この日もたくさん頂いてきました!カボチャ、茄子、ピーマン、トマト、ミョウガに大葉、料理酒として使う月桂冠、素麺、天ぷら粉、大好きな蒟蒻畑、岡山銘菓大手まんじゅう、ゼリーに鰹節・・・まだまだまだまだ・・・

 実家に帰って食料調達。これで椿と葵!しばし生き延びれます。
 いくつになってもお世話になりまーす。どうもスミマセン。でも助かります!

                つばき

by bigcamellia814 | 2005-09-14 21:54 | viaje(旅)

父のこだわりの家~夏の終わりの故郷へⅣ


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 我が家、只今新築中!

 祖母が他界後、彼女が住んでいた雨漏りのひどい古い家を取り壊し、その跡地に新しい家を建築中。母、姉(長女)、同居している叔母、3人の女どもが出資をし、出資はしないが設計したのが我が父親。父は建築士でもなければ、大工でもない。『備中櫓』という、この地域に伝わる様式を再現したのがこの家。「津山城(岡山県北の津山市にある城)は8億円かけて備中櫓を復元するが、わしは○○万円で実現する!」と燃えていた。

 彼は、裏山の木を切り、その木材を設計通り自分で製材し、数々の梁や柱を自らの手で作り出した。昨年の8月、棟上の時、彼が製材した梁や柱が実にピッタリと組み合わさり、家の基盤が出来ていく様を目の当たりにした時、初めて彼を尊敬した。

 私は随分長い間、父親の事が大嫌いだった。封建的な態度。自分の傍にある物でも、「おい、アレ取れ!(名詞ではなく、必ず「あれ」「それ」等の指示語を使う。)」と命令するところ。女や子どもは、それに従わなければいけないところ。怒るとヒステリックに物を壊すところ。記憶に残るだけでも、夕食中、怒ってテーブルをひっくり返した事が3回はある。そして、家族の事で悩んでいる母の気持ちに向き合わない、寄り添わない態度。皮肉だけど、私がフェミニストに成長したのは彼のおかげだ。フェミニズムが投げかける「家父長制」の構造など、手に取る様にわかった。まさに我が家だ。

 数年前、脳梗塞で倒れ、回復してから、父はだんだんと穏やかになった。「怒るのが一番カラダに悪い。」と彼が言うのを聞き、昔の乱暴な彼の姿を思い出して私は苦笑した。孫が出来て、さらに穏やかになった。先日母から「最近、お父さん、協力的だよ。色々手伝ってくれる。」と言う言葉を聞いて安心した。人はいくつになっても成長出来る。「離婚する!」と騒いでいたこの二人も、どうやら最期まで一緒にいそうだ。

 我が父親をはじめとして、田舎の人は、何でも自分の手で作り出していく。そして、作り出していけるだけの知識と技術を持ち合わせている。私が、彼を尊敬するのはそこだ。「買う」という発想がまるでなく、「作る」という発想が突出している。その突出した発想で、我が家まで手がける。完成が楽しみだ。

                  つばき

by bigcamellia814 | 2005-09-14 21:28 | viaje(旅)

草抜きが趣味です!~夏の終わりの故郷へⅢ


a0038862_22444696.jpg 以前ある雑誌を立ち読みしていた時、女優の野際陽子さん(たぶんそうだったと思うが、間違っていたらスミマセン)の趣味が『草抜き』だと書かれており、いたく共感した覚えがある。

 そう、私の趣味も『草抜き』なのです!マンション暮らしの現在は、草が生える様な庭も畑もなく、この欲望を持て余している日々ですが、時々街から離れ、畑仕事をしている人々の姿を見ると、無性に血が騒いでくるのです。「あぁー!抜きたい!引っこ抜きたい!思いっきり、スカッと引っこ抜きたーーーい!」

 で、実家に帰省した際、その欲望を満たすべく母に相談。「ねぇ、草抜きしたいんだけど!」

 「待ってました、その言葉!庭や畑はいくらでもある!(田舎なので土地だけはクサル程ある。)いくらでもさせてあげるわよ!」と言わんばかりに喜ぶ母。私は早速、母のタンスから農作業用の服を拝借し、軍手に腕抜き、首にはタオル、麦藁帽子に長靴という、およそ日頃の私とはかけ離れたいでたちで、いざ!畑へ!

 夏の太陽を浴びて、勢いよく成長した雑草たち。一応そこは畑なのだが、野菜ではなく雑草を育ててるのではないか?と思ってしまう程の有様。雑草の成長に、農作業をする両親の体力が追いつかなくなったのかなと、父と母の老いを感じる瞬間。雑草の中からゴーヤがぽろり、スイカがぽろり、夏の食卓を飾った野菜たちがひょっこり現れる。

 私が好きなタイプの雑草は、背が高く、先っぽを持って引っ張るだけで、根っこを覆う土と共にたやすく根元まで引っこ抜ける、大きいくせに労力がほとんどかからない雑草。力がかからないにも関わらず、物が大きいので達成感が得られるというのが魅力だ。しかし、我が家の畑に繁殖していた雑草の多くは、背が低く、どっしりと根を張っている物ばかり。仕方がないので、引きちぎる様に片っ端から抜いていくが、それも容易ではない。握力が必要なこの作業、長時間続けると腕も痛くなり、かなりの重労働だが、雑草を引きちぎる時のあの音が、快感なのだ。

 田舎の人は、早朝涼しいうちに働いて、日が高く昇っている間は昼寝をし、又、日が傾いた夕方から畑に出て一仕事する。昼寝から目覚めた母が、「今度は庭の草抜きよろしくー!」と一言。前半戦でかなり体力を消耗した私は、内心「えぇー!」と不平を漏らしながらも(草抜きは趣味だが、長時間すると飽きるのは当然。)、「今度いつ、草抜き出来るかわからないではないか!」と我が身をふるい立たし、再び農作業スタイルに!

 造園を学んだ父が作った我が家の庭は、昔はそれなりの美しさを保っていたが、今ではその姿もなく、雑草だらけ。「そうそう、昔は、おばあちゃんが庭の草抜きしていたから、手入れが行き届いていたんだなー。」と数年前に他界した祖母を思う。こどもの頃、よく一緒に草抜きをしてたよな。
 
 草抜きをしていると、小さな虫たちとよく目が合う。小さな穴の中から、ひょっこりコオロギが顔を出す。私と目が合い、一瞬間があって、再び慌てて穴の中に隠れる。秋を間近にし、彼らの出番ももうすぐだ。

 草抜きを更に楽しくする方法は、誰かと話しながらする事。ひとりで草抜きをするのはなんとも孤独。誰かと一緒にすれば、井戸端で洗濯を囲みながら噂話に花を咲かせる、そんな雰囲気が生まれる。久々に、母と話をしながら草抜きに精を出した数時間。いい時間だったな。

                   つばき

by bigcamellia814 | 2005-09-14 18:39 | viaje(旅)

尊敬するひと

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私は生まれた時から、親不孝。

体重4300g、しかも逆子だったとか。

・・・どうやったら出てこれるんだ?

しかし、この方は産んでくれたのです。


中学生のある日、担任の教師に、「尊敬する人は?」と聞かれた。
私は間髪入れず、「母。」と答えた。

目の前の教師は、鼻で笑った。
「そんなこと言って。もっと勉強しなさい。」みたいなことを言っていた。

私の頭はエンドレスハテナ。???。
「歴史上の偉大な人の名前でも挙げとけば良かったんかいな。」
「会ったことも、話したこともない人でも、解ったふりして、尊敬してます言うとけば良かったんかな」


言えるか、そんなん。


私がまず愛す人、私がまず尊敬する人。 それは、母、ヨウコ。

愚痴って、泣いて、でも目の前のことに真っ直ぐ向き合い続ける、
そしてすべてを楽しもうとする、あなたのような人に、私はなりたい。



母子手帳に、「巨大児」と書かれた私。
来月の誕生日には、もの凄い赤ん坊を、こ、公開しまーす。

                  
                                   あおい  

by bigcamellia814 | 2005-09-10 04:40 | 葵歳時記

98パーセント緑の世界!~夏の終わりの故郷へⅡ

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98パーセント緑の世界!
あぁ、なんて緑なんだろう!
360度、青い空と緑の山々。
庭先に立ち、目の前に広がる山の連なり。
そこに存在している色は、緑だけ。
こんな場所で生まれ、
こんな場所で18まで過ごしたのか・・・
安心して呼吸出来る空気。
安心して乾いた喉を潤してくれる冷たい井戸水。
不必要な刺激に視覚が曝されないでいい安心。
目の前は緑だけ。

こんな贅沢な場所で私は育ったのか・・・
「贅沢」なんて思う様になっちゃってさ、
まるで都会の人みたい。
当たり前だったふるさとの光景が、
私から乖離し始めているのかもしれない。

ココに帰る事を忘れるな。

         つばき 

by bigcamellia814 | 2005-09-08 23:35 | viaje(旅)