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我武者羅應援團著「僕らの仕事は応援団。~心をゆさぶられた8つの物語」

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 突然の書き込み大変失礼いたします。
武藤貴宏と申します。
つばきさんの9月8日のブログにGoogleで『応援団を作りたい』と検索をかけたらつながり、
失礼ながらここにコメントをさせていただいたしだいです。
 僕も応援団を作りたいと思っていまして、是非彼に会ってみたいと思ったので、
こちらに書き込みをさせていただきました。
もしよかったら、私のメールアドレスにご一報いただけませんか?
折り返し、くわしいいきさつをお伝えさせていただきます。
突然の変なお願いで本当に本当にすみません。


 2005年11月3日、ブログにひとつのコメントが残されていた。
武藤貴宏と名乗る人からのコメント。
後に我武者羅應援團団長を務めることとなる、武藤貴宏くんからのコメントだった。
2005年9月8日にアップした記事を読み、彼はコメントを送ってきた。
それは、青春18切符で帰省中、偶然出会った、
「応援団を作りたい」と熱く語る、19歳のチンピラ風の青年について綴ったものだった。

 私がそのコメントに気づいた時には、彼の書き込みから既にずいぶん日が経っていた。
「長いこと書き込みに気づかずゴメンナサイ」と心の中で詫びながらも、
「ってか、Googleで検索して、ヒットするとこソコぉ!?ソコかよっ!応援団かよっ!『応援団』で検索して、何でよりによって私のブログにヒットすんの!?私のブログ、応援団を応援するブログじゃないしっ!」と思い「この人、大丈夫かなぁ?」と多少の不安を抱きながら、書き込まれていたメールアドレスに、「もう少し詳しく、自己紹介をしていただけませんか?」とメールを送ってみた。

 すると、程なくして、彼から驚くほど長文のメールが携帯に送られて来た。
それだけで、私は直感した。「この人、本気なんだ」
どこに住んでいるか、現在何歳か、家族のこと、どこの大学に行ったか、
今までどんなことをしてきたか、そしてなぜ、社会人になった今、改めて応援団を作りたいと考えているのか。

 長いメールを最後まで読み切って、私は背筋が伸びた。
「私は、彼の思いにちゃんと答えてあげなきゃいけない」そう思った。
「これは、彼の人生に関わることだ」と。

 彼の依頼は、応援団の経験を持つ19歳のチンピラ風青年・K君を紹介して欲しいとのことだった。「それくらいのこと、どうってことない。それで彼の願いが、ほんの少しでも前進するなら、私は力を貸すべきでしょ!」そう思った私は、すぐさまK君に連絡を取り、2人の間をつないだ。

 それから2人は東京で出会った。
応援団を作りたいと思いながら、応援団のイロハを知らない武藤君は、
K君が立ち上げた大学の応援団に弟子入りし、応援団の基礎を学び始めた。
これが、私と我武者羅應援團の出会い、そして我武者羅應援團のはじまり。


 その我武者羅應援團が、8月11日、大和出版より本を出版した。
そのタイトルは、「僕らの仕事は応援団。~心をゆさぶられた8つの物語」
2007年2月の結成以降、応援を通して出会った人々との8つの物語がここに綴られている。

 とりわけ、8つめの物語には涙が出た。
我武者羅應援團結成以前、すがる思いで「突然の変なお願いで本当に本当にすみません」とこのブログに書き込みをしてきた武藤君を知る身としては、彼がこれほどの、これほどの思いでもって、応援団をやりたいと思っていたのかと改めて知り、涙が出た。

 そして8月19日、出版記念と共に開催された、新宿・紀伊国屋ホールでの演舞会が、満員御礼の後、大盛況に終わったと聞き、この5年の彼らの歩みに感動している。

 しみじみと、こう思う。
私、武藤君の思いに答えて、本当に良かった。

 彼は、私と出会わなくても、絶対に、絶対に、応援団をやりたいという思いを実現したと思う。けれども、一歩踏み出した彼が、二歩目を踏み出そうとしているその背中を、ポーンと押す役割が、他の人ではなく、私に与えられたことに、私は心から感謝している。神様、その役割に私を選んでくれてありがとう。

 武藤君との出会いは、私にとって宝物です。
そして彼を通して出会った、我武者羅應援團の仲間も、私の大切な人たちです。
私たちの間をつなぐきっかけとなった、K君の魅惑の風貌にも、計り知れない感謝の気持ちを!そして、こんなにオモシロイ人たちに出会わせてくれた偶然と、それを導き出したGoogleに感謝します!

 私を通して、我武者羅應援團と出会ったみんな、ぜひ、この本を手に取ってみてください。そして、まだ彼らと出会っていないみなさん、この本を通して彼らの生き様に触れてみてください。

 熱いです。暑苦しいです!
汗を散らし、唾を飛ばし、目の前にズシンズシンと迫ってきます。
けれども、目の前にいる人の心に寄り添い、向き合い続ける、彼らの繊細さと真剣さに触れた時、あなたの心も驚くほど素直に、そして自由になるはずです。

 「僕らの仕事は応援団。~心をゆさぶられた8つの物語」
ぜひ、手にとってみてください。

つばき

by bigcamellia814 | 2012-08-21 12:24 | libro(本)

ドキュメント高校中退~いま、貧困がうまれる場所

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 数日前、貧困地域の公立中学に勤務する先生から紹介された本を、早速手に取ってみた。

 『ドキュメント高校中退~今、貧困がうまれる場所』(青砥恭/著 ちくま新書)。埼玉県と大阪の底辺校に入学した子ども達の事例に基づき、高校を中退していく子どもと貧困との関連を分析している。

 私は最近、大阪府内の公立学校で教員として働く方々と接する機会が多くなった。小学校や中学に通う子どもがいたっておかしくない年齢ではあるが、私には子どもはいない。だから、大学以前の教育課程でどのような問題が生じているのか、その実情には完全に疎かった。
 しかし、先生方の話を聞くにつけ、彼・彼女らがすさまじく疲弊していく現実がそこにあることを教えられた。

クラスの3分の1は不登校
母子家庭がクラスの3分の1
それぞれ父親が違う子どもを何人も抱え生活保護で生活している母親、
働かずに生活保護もパチンコに消える
働いてもアルバイト・パート・非正規労働
朝も夜も働き、子どもをかまう時間もない
そのうち体を壊して、働けなくなりますます貧困に陥る
ネグレクト
日常的に虐待を受けている子どもたち
「将来この子は確実にDVをするだろうなぁ。」と思われる男子生徒
中学になってもひらがなが書けない子ども
高校になっても九九が言えない子ども
窃盗、傷害
近親姦
若年妊娠→高校中退→シングルマザー→仕事も見つからず更なる貧困に

 この子たちの親もまた、同じような貧困状況の中で生まれ育った人が多い。貧困のスパイラルが続く。祖父母の世代から親に、親の世代から子どもに、その子どもからまた新しい世代に。

 大阪府の高校中退者数・率とも全国でトップとのこと。
底辺校と呼ばれる高校には、上に列挙したような現実の中で生きる子どもたちがクラスに何人もいるという。1人ならまだしも、これだけ大変な状況の子ども達がクラスに何人もいては、先生が1人1人に丁寧に関わることなんて不可能だ。勉強を教えるなんて、それ以前の問題だろう。先生だけが背負うのではなく、その学校に常駐するスクールソーシャルワーカーの採用を具体化していく必要があるんじゃないだろうか?それも、1人ではなく、数名。そうでなければ、過酷な状況を抱える子どもたちが集中している学校は、子どもたちも、先生も潰れてしまう。

 橋下知事は教育改革として「学力向上」を謳うが、そこに目標設定を置く以前の問題を抱えた子どもたちが大阪にはわんさかいる。この貧困状況を無視して、「学力向上」だけを謳い、現場の教員の尻を叩いても、教師は更に疲弊していくだけだ。

 もっと向き合わなきゃいけない現実が目の前に溢れている。
教師の疲れた嘆きを耳にする度に、大阪の街の中で、過酷な状況を生きる子ども達のことを考えては胸が締め付けられる。

by bigcamellia814 | 2010-05-21 17:28 | libro(本)

布ナプキン~こころ、からだ、軽くなる~

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 西宮ガーデンズ内Book1stで平積みされ、販促コーナーを設けられていたこの本『布ナプキン~こころ、からだ、軽くなる~』。巻末には布ナプキンの付録付き。迷わず購入致しました。

 布ナプキン使用歴は、もう5~6年になりますが、一度使うと、今まで使っていた使い捨てナプキンやタンポンには戻れなくなりました。布ナプキンを使用するまでの数年は、主にタンポンを使用していたのですが、いつ頃からか、入れた時に違和感を感じるようになり、それがしんどくなって、以前から友人に薦められていた布ナプキンに変えました。

 布ナプキンにして一番良かったのは、経血の出るタイミングがわかり、コントロール出来る様になったこと。これ言うと、みんなビックリするんだけど、出来る様になるんですよぉー!使い捨てナプキンを使用していた時は、「垂れ流し」って感じ。ナプキンが受け止めてくれるから、特に経血が出るタイミングなどあまり意識していませんでした。
 でも、布ナプキンは自分で洗濯しなきゃいけないじゃない。出来れば、汚れの少ない方が洗う時は楽。それに昔の人は自分でコントロールしてたってどこかの本に書いてあったし、これは挑戦!と思い早速実行してみました。
 「あぁ、今、血が下がってきてるなぁー。」というのを、お腹に感じる痛みや重みで感じ取り、「そろそろだなぁ。」という頃にトイレに行き、子宮のあたりに力を込めるイメージで少し気張ると、「ドバーっ!」と経血が出るのです。このタイミングがわかる様になると、ナプキンを汚さなくてすむから、後の洗濯も楽チン。だから最近の私は、「ナプキンで受け止める」ものではなく、基本「トイレで出す」物というふうに、生理に対する意識が変わってきました。

 この本は、「これから布ナプキンを使ってみようかなぁ~?」と考えている人にオススメです。
☆布ナプキンの何がいいの?
☆よれたり、モレたりしないの?
☆洗濯、面倒臭くない?
などなど、基本的な疑問に丁寧に答えてくれています。
お気に入りの布ナプキンとセットにして、この本を女友達にプレゼントするのもいいかもね。この本の著者・ユーゴさんのHPはこちら

 本と一緒に並んでいるのは、最近購入した布ナプキン。4月24・25日、万博記念公園で行なわれたロハスフェスタに行った時、このアフリカン柄のナプキンを購入しました。大阪府守口市で製作されているObispoさんの布ナプキンです。布の可愛らしさにホレて、友人と一緒に衝動買いしてしまいました。

 生理の時って、1ヶ月に1度のメンテナンスの時。
それまで過ごした1ヶ月の生活ぶりが、そこに表れます。
考えてみれば男の人には、自分の体を否が応でも見つめ直す、そんなタイミングは用意されていないわけ。だから、無茶もしちゃうよなぁーっていつも思うのです。だから、月に1度、自分の体の様子を見つめ直す時間が与えられているオンナは、ラッキーだなぁと思います。ねぇ、せっかくだから愛おしく過ごす時間にしたいよね。

                    つばき

by bigcamellia814 | 2010-05-05 13:25 | libro(本)

妊娠~あなたの妊娠と出生前検査の経験をおしえてください~

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 財布を覗いたら、5000円の図書券を発見。
あぁ、ある大学教授のインタビューに協力した時に、お礼として頂いたモノだったわ。スッカリ忘れてたけど、ラッキー!
今日は、本を買いたい気分なの。

 朝から、胸の辺りが重いよう。
気になっていることが、ひとつ、ふたつ、みっつ、
あぁ、よっつくらいあるからかなぁ。
そんな時は、元気もらいにフェミ系図書エリアだなぁ。

 この本を手に取り、電車待ちのホームで読み始めた時、
「そう言えば、朝方見た夢は妊娠してる夢だったなぁ。」と急に思い出した。

 まだ妊娠初期で、妊娠してる実感もなく、
私の子宮の中にイモムシの様な小さな生物が巣食っているイメージを抱きながら、原っぱに座り込み、下腹に手を当ててみては、
「ホントか?これはホントなのか?」と自問自答し、
「私は騙されているんじゃないか?」と疑心暗鬼になりながら、
でも「あぁ、あたし、これを待ってたんだなぁ。」と安堵の気持ちをヒタヒタと感じている。そんな夢だった。

 「あなたの妊娠と出生前検査の経験をおしえてください」と副題がついたこの本は、装丁の可愛らしさもあって、少し前から気になっていた本だった。

 私が出生前診断のことを知ったのは高校3年の時。
家政科で学んでいた私は、保育の授業で出生前診断に関する映像を見せられた。病気を抱えて生まれてきた子どもを持つ先生が、私達に是非考えて欲しかったのだろう。「この映像をみんなに見せるのが本当にいいのかどうか迷っています。」と前置きした上で、先生は映像を流し始めた。
 授業後、クラスメイトに感想を尋ねると、大半の子が「出生前診断を受けたい」「その結果、障害児だとわかったら生みたくない」と答えた。私は既に、大学で社会福祉を学ぶことが決まっていたこともあり、将来、ソーシャルワーカーになりたいと考えてる人間が「障害児だとわかったら生みたくない」と答える訳にはいかないだろうという気持ちが働き、「不安は伴うだろうけれど、『生む』という方向性で考えたい。」と友達に話したように記憶している。「そんなこと言うけどさぁ、その場になって自分がどう感じ、行動するかって、やっぱり想像つかないよな。」と思いながら。

 障害者と関わる機会が多かった私にとって「出生前診断」は割と身近な問題だった。でも、その多くは障害当事者からの問題提起で、女性達がこの問題にどのように出会い、どんな体験をし、どんなことを感じたのか、それを聞く機会はなかった。

 アンケートに答えてくれた女性達の生の声を伝えるために、アンケートに記入された内容をほとんど全て載せているそうだ。どんな体験から、どんなことを考え感じたのか、興味がある。

 私は妊娠した経験もないし、この先、妊娠する機会に恵まれるかどうかもわからない。「リミット」を意識するには十分な年齢だし、「子どもを生まない人生を自分は生きるのかもしれない」と考えることは最近多くなった。

 でも、気になる「妊娠」。
いろんな女性の体験と、そこから生まれた言葉に触れながら、
考えてみようと思ってます。

                      つばき

by bigcamellia814 | 2010-04-22 23:17 | libro(本)

ラムロイヤルと団鬼六

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 花火の後、そのまま真っ直ぐ帰宅する気になれなかった。
しばし、三宮の街をブラつく。
東門商店街では、韓国人のオバちゃんや、若い中国人の女の子達が道端に立ち、
通りすがりの男達に声をかける。
フィリピーナ3人が、陽気に客の見送りをしている。
見事な程にケバい化粧を施した白人熟女と寄り添う、紳士的な雰囲気の50代位の男性。
まるで異国の地に舞い込んだような雰囲気に、ひとり笑みがこぼれた。
アカラサマな情欲が、通りのあちこちにまるでコロコロと転がっているようだ。
ついでに大好きなキャバレー、『クラブ月世界』を入り口から覗く。
ココを覗くのが好きだ。いつか、ココで、私は何かをする、たぶん・・・
ずっと企んでいますから。

 お目当てのカフェは花火帰りのカップルで長蛇の列。
諦めて、いつものカフェに足を向けた。

 ここのカフェで注文するものは決まっている。
ラムロイヤル。ラムが効いて、少しだけ頭がクラッとする瞬間を楽しむ。

 今夜はラムロイヤルを飲みながら、堀江珠喜著『団鬼六論』を読みたかったのだ。
SM界の巨匠・団鬼六について、「関西文化」という切り口で論じている部分がオモシロイ。

 先日、東京で見た我武者羅應援團のパフォーマンスには、関西大学応援団出身のM君という男性が登場するのだが、彼だけ終始大阪弁なのだ。これが形の良い彼のスキンヘッドと相まって、実にイイのである。

 彼が他の団員を「まだまだだぁ~!!!!!!」としごく場面において、彼の大阪弁はなんとも言えない魅力を発揮する。なぜか異常にゾクゾクしている自分に驚く。その時、私の心の中に宿った言葉は「いやらしい、あぁ実にいやらしい。」だった。

 その「いやらしさ」と結びついたのが、鬼六ワールドだ。
しごく、いたぶる、陵辱する。
明確な形での表明があったかどうかは別として、強者と弱者がなんらかの了解の上でそれらの行為に及ぶ時(小説の中では、「イヤもイヤよも好きのうち」というフェミニズムなら一蹴する様な男の幻想も多分に含まれているが、それはひとまずファンタジーとして受け止めるとし。)、「大阪弁はその猥雑感を高める」効果がある。
この著書にて、鬼六ワールドにおける大阪弁の効力を論じている部分に、私は妙に納得する。猥雑さを施すのに、大阪弁ほど魅力的な言語は他にあるだろうか?

 団鬼六は、私の勤め先の大学のOBだが、あまりに話題にのぼらない状況に大学側の意図的なものを感じているのは、私だけではなかったようだ。その人は、「OBとして唯一『誇りに思う人物』だ。」と話してくれた。ちなみに私は、唯一知っていたOB・OGが団鬼六だった。(なんという偏り方か・・・)

 今では、テレビの中で平気で「私、Sなの。」「俺って、結構Mなんだよね。」と言った会話も耳にするが、現在の様に市民権を得るまでに至った過程において、団鬼六の貢献度は計り知れないものがあるだろう。そして、日本独特のSM文化を生み出したのも団鬼六に他ならないだろう。

 私達は密かに彼のステージを企んでいる。
母校では無理か?無理だろうなぁ。
ならば、クラブ月世界はどうだろう?
決して若くはない彼が命あるうちに、彼の偉業について話を聞いてみたいものだ。

 団鬼六。
名前がイイよなぁ。

by bigcamellia814 | 2008-08-03 01:11 | libro(本)

週末Bookレビュー2

a0038862_1265553.jpg こちらも友人のBookレビューに触発されて読み始めた1冊。

 世界への輸出量90%を占めるバングディッシュのジュートを使たバッグ作りで起業した25歳の山口絵理子さんの著書『裸でも生きる~25歳女性企業家の号泣戦記』を読んだ。

 アジア最貧国・バングラディッシュで日本人初の大学院生となり、その後、全くの素人にも関わらず、ジュートを使ったバッグの会社マザーハウスを起業。起業したのが2006年3月だから、この2年間の彼女の凄まじい努力と躍進ぶりには驚かされるばかりだ。

 私が最も感心したのは、バングラディッシュ人と信頼関係を築き、日本で(今後は世界で!になっていくのだろうが・・・)通用するバッグを妥協なく作っていく組織作りを、現地の人々と育ててきたその血の滲む様な過程。何度も裏切られ、しかし、工場の人達と椅子を並べ一緒に作業をしていく中で、彼女は信頼関係を築いてきた。何を「かわいい」と感じるか、何を「売れる」と感じるか、そのセンスも違えば、クオリティに関する基準も違う。その部分を理解してもらえるまで伝え、形にしてもらう過程は並大抵じゃないだろう。フィリピンに住んでいた頃、「なんでそうなんだろう!」「どーしていつもそうなの?」と思ってばかりだった私に、彼女の様に腹の据わったかかわり方が出来るだろうか?彼女の様に諦めずに関わり続けられるだろうか?と問い直す機会をもらった。

 『社会企業家=ビジネスの手法を用いながら社会貢献をしようとする人達(っと大雑把に理解していますが・・・)』という言葉をよく耳にするようになったが、彼女が卒業した慶應義塾大学は彼女をはじめとしオモシロイ社会企業家を輩出している。病児保育のNPOフローレンスを立ち上げた駒崎弘樹さん、ニートのための小説教室・NPOコトバノアトリエを主宰する山本繁さんなど、彼らの発想・そして形にしていく行動力には刺激を受ける。

  山口さんをはじめとする若手社会企業家達の柔軟な発想力と、大胆かつしぶとい行動力からたくさんの事を教えられる。

 私にもある、「社会を変たい!」を変えたいと思うこと。
その純粋さが遠のきつつある事を時折感じる。
本を読んで勇気を貰う。
さぁ、それをどういう切り口で行なうか?
私ならどんなことをしたいだろうか?

                                        つばき

by bigcamellia814 | 2008-05-25 12:45 | libro(本)

週末Bookレビュー1

a0038862_14503240.jpg mixiにアップされていた友人のブックレビューに触発され購入した2冊の本。
 
 1冊目は、自身が受けたレイプ被害から立ち上がり、全米で性暴力の被害者の写真プロジェクトを展開した日本人フォトジャーナリスト・大藪順子さんの本・『STAND 立ち上がる選択』を読む。大藪さんの他に『性犯罪被害にあうということ』というタイトルで実名で本を出版された方もいるが、その被害の内容ゆえ、実名、自身の写真つきで本を出版される方は非常に稀だ。そんな事以前に、どれだけの性暴力の被害者が、家族にも友人にも言えないでいるだろう。相談機関に電話する事も出来ず、ましてや警察に届出を出す事も出来ず、泣き寝入りしている人の数は計り知れないだろうと私は思っている。特別な人に起る特別な事ではなく、誰の身にも起り得る身近な出来事。それでいて表に現れにくい(見ず知らずの人からいきなり受ける性暴力より、家族・恋人・友人等身近な人から性暴力を受けるケースの方が実は多い事もその要因だ。)複雑な要素をはらむ。
 
 読みながら、脳みそをアイスピックで突かれた様な衝撃と共に、もう何年も忘れていた自分に起った出来事を思い出した。客観的な視点で読んでいた本が、一気に私自身の体験を振り返るものになり、しばし回復出来ない程に気が滅入った。その体験を「性暴力」だと言い切れないこと、自分自身の落ち度を考えてしまうところに、性暴力被害の複雑さがある。ただ一点、「不本意であった」、しかし「にも関わらず・・・・」という気持ちが存在し続けているという事は、そこに何らかの権力関係に脅えていた自分がいたのだろう。脅えていた自分を責める様な事だけはしないで来た。しかし、それすら難しい被害者達がどれだけいるだろうか?

 犯人が捕まり、通常はあり得ないと言われる20年という刑を課す事が出来た著者ではあったが、悪夢を見る、パニックアタックになるという状況が続き鬱になった。彼女が写真プロジェクトで出会った1人がこう言ったそうだ。『レイピストは3年から5年の刑を受けるが、被害者は終身刑を受ける』と。残念だが、その言葉が示す現実が私にも想像がつく。

 巻末、彼女の写真プロジェクトに中で被写体になった人達の写真と共に、その人達の受けた体験が短い文章でまとめられている。サバイバーの彼・彼女達に「よくぞ生き延びてきた。」と声をかけている自分がいた。

 敬虔なクリスチャンである彼女にとって、聖書から与えられる言葉、信頼できる友人・教会の人達の支えが、彼女を大変な体験から立ち上がらせてきた。『全てのことには意味がある』『神の計画によって』という言葉が著書の中で繰り返される。もちろん、そう思う事が難しく感じる気持ちも吐露しながら。『信仰』が与える力強さを実感させると共に、しかし、その中で起る性暴力(神父による男児への性的虐待等)の現実に、改めて『信仰』とは何だろう?と考えさせられる本でもあった。

 語る事すら出来なかった多くの性暴力の被害者達に、助けを求め、声をあげる勇気を与えてくれる1冊だ。

                                     つばき

by bigcamellia814 | 2008-05-24 15:00 | libro(本)

結婚しなくていいですか。

a0038862_22311489.jpg 「今日、お米送ったよぉー。小さいけど竹の子も入れといたからねぇ。あぁ、たくわん入れるの忘れたなぁ。」と先程、母から電話がかかった来た。

 たまに母から電話があると、私は結構長話をする。最近の母の口癖は「あんたも早くイイ人見つけて・・・」だ。20代の頃は全く言われなかったが、この2~3年よく口にするようになった。そろそろ発破をかけないと本気でヤバイと思い始めた様子だ。

 私が入籍を伴う結婚に興味がない事は母も理解しており、「入籍しようがしまいが、女が苦労するのに大差はない。」と一蹴し、しかし、自分達が先に逝き、老後を1人で過ごしている娘を想像するのがつらいのだそうだ。「年取って1人は寂しいよぉー。」と電話越しに囁かれる。

 40代を目前に控えた姉は、バブルの時代に大手企業に研究者として就職を決め、高収入を得ながらバリバリ働いてきた。彼女は私なんかよりよっぽど結婚願望があり、私とは比べものにならないほど家庭的で、私など足元にも及ばないほどしっかりしているし、見た目も十分かわいいが、結婚せずに今に至る。今、本気で結婚相手を探しているがなかなか現実は厳しいらしい。
 
 「Around 40ってドラマ見たぁ?」と母に尋ねる私。40歳を目前に控えた未婚の精神科医の女性が主人公のドラマだ。「見た!見た!これ、まさにお姉ぇちゃんのことやん!って思いながら見た!」と母。「あのドラマ、お姉ぇちゃんはどんな気持ちで見るんやろなぁ~?」と言いながら、近い将来、自分もそうなるのかなぁ?と想像してみた。

 帰りの電車の中『結婚しなくていいですか?~すーちゃんの明日~』というマンガを読んだ。30代未婚、子どもなし、男なしと言う点では、一時話題になった『負け犬の遠吠え』と共通しているが、あそこに登場する女達には、仕事における立派なポジションとそれに伴う高収入が備わっていた。「30代未婚、子どもなし、男なし、ついでに低収入の女は、負け犬にも仲間入りできないか?」と思ったものだが、このマンガに登場するすーちゃんは、カフェの店長ではあるものの、大した月給ではなく、コツコツ貯めた貯金は200万程度。親近感を覚える存在だ。

 10代の後半で出会ったフェミニズムは、当たり前だと思っていた事を問い直すたくさんのチャンスを与えてくれたけれど、現実の状況の中で、自分の立ち位置が揺るがされ、バランスが取れなくなりそうになる事がしばしば起る。軟弱フェミだと我が身を認めざる得ない。だって、私はすーちゃんの気持ちに共感し、「ははは、すーちゃんと一緒じゃん。」と思うのだ。フェミニズムより共感するよ、その心境。10年前の私なら、「バカらしい。」「くだらない、そんな事にとらわれて。」と生意気にそう思っていただろう。聞きっかじりのフェミニズムの理論でも引っさげて。しかし、10年後の私は、フェミニズムを心の中心に置きながらも揺らいでいる。まぁ、認めておこう、そんな自分も。

 「焦れ」と言われても、
やっぱねぇ、イマイチ切迫感とか現実味に欠けるのです。
「そーゆうもんじゃないだろう。」と反論したくなる私。

 まぁ、いいや。
とりあえず、私、よくやってると思うし。

 寝よ、寝よぉー!

                            つばき
 
 

by bigcamellia814 | 2008-04-24 23:11 | libro(本)

キャンディキャンディ

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 毎晩、眠る直前に布団の中で本を読む。
今夜は、コレ。キャンディキャンディのダイジェスト版。
同僚のNちゃんから借りてきました。
数年前、自閉症の子どもと学童保育に行った時、
そこの本棚にキャンディキャンディを見つけて以来、ずっと読みたい!って思っていました。
テレビアニメしか知らないから、マンガは読んだ事がないの。
故に、私の幼い記憶は多くの誤解をしたままでした。

 丘の上の王子様のファッションが、バグパイプを抱え、キルトをはいたスコティッシュファッションだったので、物語の舞台はスコットランドだったのだと勝手に解釈したまま30年。実はアメリカだったとは!Anthonyをはじめ、キャンディに心を寄せる3人の男子達は、スコットランド系のお金持ちの家系だったのねぇ。キャンディキャンディが好き!と言いながら、基本からなってなかった私です。

 「ピンクレディ」と「キャンディキャンディ」
私達世代の女子が、子ども時代の憧れを語る上で欠かせない存在です。

                                     つばき

by bigcamellia814 | 2008-04-23 22:12 | libro(本)

女ですもの

a0038862_21102389.jpg 内田春菊のマンガを読むと、あのお椀型の弾力を感じさせる胸に同性ながら欲情し、「男子がしゃぶりつきたくなる気持ちも分からぬではない!」と思う私。肉体だけでなく、彼女が描く女達は魅力的だ。
 
 本人達はどう思うか分からないが、私の中で「内田春菊」と「中村うさぎ」は、『実体験型フェミニスト』と呼ばれている。はたから見れば、「破天荒」と呼ばれ批判に曝されたり、「痛い・・・」と言われるかもしれないが、彼女達が自分の体を通して実際に体験し、そこから発せられる「女」に関する発言の数々は、自らを「フェミニスト」と名のならぬとしても、実にフェミニズム的だ。

 内田春菊と吉本ばなながお互いの結婚・出産・子育てを語った対談集『女ですもの』を読んだ。最初から事実婚を選んだ吉本ばなな、結婚後、事実婚に移行した内田春菊。私がかじってきたフェミニズムは「選択的である」ことを説くものが多かったが、今、30を過ぎて結婚も出産も子育ても経験していない私は、「選択的である」ことを知ったが為に慎重になり、準備が整わなければあれもこれも出来ないと思っているのではないかと思う時がある。しかし、準備が整う時などいつ来るかわかりゃしない。「どんな気持ちで向き合うか」そんな先輩達の言葉が聞いてみたかった。結局のところ、現実とひとつひとつ向き合っていくところにしか、気付きは生まれないのだろうと思うのだが、2人の対談を読んでいると、数々の体験を経た過去が、今の選択を導いているように思われる。

 本の中で心にとまった言葉を紹介。
中学生になっても、母親・内田春菊と何でも話す彼女の長男の事が話題に上った時の内田春菊のコメント。

 『途中から親と話したくなくなるのは、親の支配に気づくからだよ。』

 そう思っていた10代を経験したはずなのに、親になると忘れてしまうのかもしれない。忘れないでいたい一言だな。

 読み終えて、「あぁ、友人が出産する前に、内田春菊の『私たちは繁殖している』(←超オモシロイ育児マンガです!)プレゼントすればよかったぁー!」と後悔。出産を控えている次なる友人にはプレゼントしようかな。

                                   つばき

by bigcamellia814 | 2008-03-02 21:24 | libro(本)