Sex and the city in Osaka

 30代も半ばを迎え、未だ『未婚』、『子どもなし』、それ以前に『彼氏なし』の女4人で集まって、プチ同窓会をすることになった。名づけて、Sex and the city in Osaka.
大学時代、2年間同じ寮で暮した仲間達。
転居を繰り返しているうちに疎遠になってしまった友人達との久々の再会だったのだが、
当日、1人は体調不良で欠席。もう1人も急な仕事で欠席。
結局、私と在日朝鮮人の友人2人とのSex and the cityになってしまった。

 計算してみると、彼女と再会するのは約6年ぶり。
大学1年の夏休み、彼女を訪ね神戸に遊びに来た。
まず案内されたのは、彼女のハルモニとハルボジが住む長田の町だった。
今、その町に自分が住んでいる不思議を考えるが、ある意味必然であり、
きっと導かれたのであろうという気がする。

 現在、大阪の生野区でケアマネージャーをしている彼女の仕事の話に、
私はとても心を打たれた。

 認知症になった在日韓国朝鮮人の高齢者の中には、日本語を忘れてしまい、朝鮮語しか話せなくなる人が少なからずいるそうだ。例えば、祖国を3歳の時に離れ、圧倒的に日本で暮してきた歳月が長いにも関わらず、日本語をスッカリ忘れ、口から出てくる言葉は朝鮮語。

 「それは何でだろう?」と考えた彼女達ワーカーが、110人もの在日韓国朝鮮人の高齢者に丁寧な聞き取り調査を行なったそうだ。長谷川式スケールによる認知症の評価だけではなく、その方の生活歴、生活状況にも踏み込んだ調査だそうだ。

 たぶん現在の日本で、この調査に最も適した地域は生野区以外に無いだろうし、
実際に110人ものデーターを集められたという事実がそれを証明している。
また、調査が出来る人材、つまり「日本語と朝鮮語が出来」、そして「在日韓国朝鮮人が置かれている状況を理解出来ている」だけの人材が集まるのも、やはり生野だからであろう。

 「認知症」という切り口から、在日一世・二世の人達の生活歴について、三世・四世の人達が聞き取りを行う。決して楽ではなかったであろう在日一世・二世の方々の人生。この国の中でフォーカスされることもなければ、保障されることも無かった、その方々の生活。そのひとつひとつを聞き取る作業は、フォーカスされる事のなかった一世・二世の方々の生き様をリスペクトする気持ちを表すひとつの方法の様にも思うのだ。

 「とても、大事な仕事をしているね。」私は彼女にそう伝えた。
残していかなければいけない歴史を、三世・四世である彼女達が引き継いでいるのだ。
彼女は惚れ惚れするような、ソーシャルワーカーに成長していた。

 ソーシャルワークのオモシロさは、1人1人の人生に丁寧に向き合う事が出来る事。
改めて、彼女の姿に、その事を実感させられた。

 仕事柄という事もあるかもしれないが、彼女は話を聞く事も、聞き出すことも上手い。
私の旅の話を面白がって聞いてくれた。
朝鮮籍の彼女にとって、海外旅行は様々なハードルがある。
先日解除されたとは言え、北朝鮮がテロ支援国家として位置づけられていた事は大きく、
今年の冬、私が、再度旅する予定にしているインドネシアに彼女は行く事が出来ないそうだ。
朝鮮籍のパスポートを持っているというために。

 オノ・ヨーコの言葉を思い出す。

 持って行く。
 この旅がしたかったけれど出来なかった友人達の写真を、
 持って行くこと。

 
 私は、彼女の置かれている状況を心に刻んで旅をしたいと思った。

 仕事を終えた後での、大阪での再会。帰宅したら、11時を回っていたが、不思議と疲れを感じる事はなかった。むしろ、元気を貰った。いい仕事をしている友人の姿は、私に力を与えてくれたようだ。ありがとう。

                                        つばき

by bigcamellia814 | 2008-10-23 22:06 | TSUBAKIng Times

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