TVウオッチング覚書

 昨夜放送された『NHKスペシャル 沸騰都市 第1回ドバイ 砂漠にわき出た巨大マネー』を見ていたら、終盤、気持ちが悪くなり不思議と泣けてきた。
 今日、その話を職場でしたら、たまたま同じ番組を課長も見ており、「気持ち悪くなったから、チャンネル変えた。」と話していた。

 昨年の夏、タンザニアを訪れた際、ドバイの航空会社エミレーツ航空を利用し、行きも帰りもトランジットでドバイに立ち寄った。タラップを降りた時の、あの熱風が忘れられない。上空からは、ドバイを象徴する建築物、人工島に建つ、帆船の様に弧を描いたブルジュ・アル・アラブホテルや、椰子の木を模して作られた人工島・パームアイランドが海に延びている様を眺めることが出来た。

 最近の原油高により、ますますの経済成長を遂げるドバイ。
2009年には、世界一の高さを誇る高層ビル・ブルジュドバイが完成予定だとか。

 テレビの中では、投資家、実業家達が繰り返す。
「世界一になる。」
「いつまでも発展し続ける。」と。

 パームアイランドに続き、今度は宇宙をイメージした人工島を作るのだと、熱く語る男性のシーンで、私の気持ち悪さは絶頂に達した。

 『おごれるものは久しからず。ただ春の夜の夢の如し。』とはよく言ったもので、
『栄枯盛衰』という言葉があるように、飛ぶ鳥を落とす勢いのものも、いつかは終わりが来るものなのだ。
 
 『世界の建設現場からクレーンを根こそぎ奪い』開発を続けるドバイ。
関空だって、神戸のポートアイランドや六甲アイランドだってそうだけれど、
海の上に人工の島を作ろうとする、人間の身勝手さを考える。

 発展し続けることの限界を、私達日本人は薄々気付き始め、そして、その事に確実に疲労している。「失敗」というのは乱暴かもしれないが、欲望の果てに得た代償の有様を、よその国が二の舞を踏む前に伝えていく必要があるのではないかと思う。

 もちろん、追い風の中にいる人達にその言葉が届くかどうか、それはわからないけれど。

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 久々に7pm前に自宅に辿り着いた今日、夕食の準備に取り掛かる前に夕方のニュースを見た。医療事故でわが子を亡くしたある女性が、現地の取り組みを学ぶために、医療事故への対応が進んでいるアメリカ・シカゴに渡った様子を特集していた。

 ある病院で、医療事故の調査を担当する男性がこんな事を話していた。

「医療事故で癒しが必要なのは、本人や家族だけではない。医者や看護師にも癒しが必要なのだ。その癒しとは、まず、本人や家族に謝罪することにあると思う。」

 あえて医療事故を起こそうとする医者や看護師はいないだろう。
しかし、命と向き合う現場だからこそ、小さな事故にも過敏になる。
「本当は、謝りたい!」「事実を話したい!」と当人が思っていても、
組織によって隠蔽されがちな医療事故。

 過ちに対して誠実に謝罪することが、過ちを犯し傷ついた者の癒しになる。
そして、過ちを犯した相手と関わり続ける決断と力を与えるのかもしれない。

 考えさせられる言葉に出会った今日。
夕方に自宅に辿り着いた喜びを、改めて感じることが出来た時間だった。

                                        つばき

by bigcamellia814 | 2008-05-20 00:00 | TSUBAKIng Times

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