ままならないなかをいきる

 「ボクには許せないものが2つあって、
ひとつは核兵器で、
もうひとつは、自分が写っている写真です。」

 とその人は言ったけれど、
私はその人が被写体になっている写真を見て、
一瞬にして「この人に会ってみたいなぁ。」と心が騒いだ。

 その写真展で、彼を写した写真はいくつかあったけれど、
なかでも、マンションの廊下で、ちょっと太目のトラ猫を抱き上げている写真に一目惚れした。
いい写真だなぁ。
そこに流れている空気が一瞬自分の周りにも流れた気がした。

 写真展で一目惚れしたその人と、色んな偶然が重なって昨夜一緒に食事をする機会に恵まれた。「会いたい!」と言葉にしてみるものだなと思う。

 彼に繋いでくれた友人と、その彼と私の3人。
話していくうちに以外にも共通点がある事に気付く。
3人が3人とも、ケンカの絶えない家庭で育ったということ。
家族のことを、
というか、小さい頃に感じていた家庭のことをこんな風に語ったのは何年ぶりだろう。
もういつからか、自分の中では決着がついたことだと思い、10代後半のあの頃の様に、心がかき乱されるようなこともなくなった。
事実、私の両親は、今、とても仲良しだし。
「大人の事情」がわかる年齢に、自分が到達したことも大きな理由かもしれない。
「平和な家庭」なんてものの方が圧倒的に少ない。
ままらない状況の中を生きている人々が、自分の周辺にゴロゴロしている事に気付いていく過程で、だんだんと自身の家庭のことも受け止められる様になった。
何にもない家庭なんてないよね。

 久々に思い出した。
中学2年の時に決断した事。
「家族の誰の味方もしない。
父親の私でも、母親の私でも、祖母の私でもなく、
私は私として独立する。
だから、私を味方につけようと躍起になるな。
何が正しいかは、私が自分で決める。」
そう決断してから、怒鳴りあう声に心がかき乱される事が少なくなった。

 友人と、その彼のままならなかった子ども時代の話を聞きながら、
人が生きていくことのたくましさと、切なさや諦めや、認めたくないような愛情がない交ぜになったおかしさを久々に感じさせられた夜だった。

                                つばき

by bigcamellia814 | 2008-04-13 13:47 | TSUBAKIng Times

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