山田詠美の握手は強くて温かだった

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「彼は、ある種の人にとっては、ニガーだけど・・・」
「やめて!!そんな言葉」
「止めない。あなただって、きっと思ってる。娘と寝る黒人は、あなたにとってニガーなの。でもね、私にとって、彼はニガーじゃないの。何故なら・・・」
イライザは切れた唇を下で拭って続けた。
「私の世界は、もう、白くはないからよ」

Animal Logic 山田詠美著

 「黒人の子どもが与えられる苦痛と来たら、本当にひどいものよ。」
「・・・人間は、人間であるだけで、皆、平等であるべきなのに」
そう語る、オフィーリアは白人の教師。
最近、娘・イライザの様子がおかしい。タバコは吸うし、夜も帰ってこない。
心配になって、主人公・ヤスミンとともに、イライザが通うクラブに行くと、
彼女がダンスフロアの隅で、黒人のボーイフレンドと口づけを交わす様子を目撃。
驚いたオフィーリアは娘に、「・・・黒人じゃないの?」と言い、取っ組み合いのケンカになる。その時のオフィーリアとイライザの会話。

 いくつもあるストーリーの中で、第8章のこの場面が好きだ。
「私の世界は、もう、白くはないからよ」だって。
やられた。ドキュン!

 彼女の作品の中で、Animal Logicが一番好きだ。
そして、主人公・ヤスミンは、私のあこがれの人。
ヤスミンのような立ち姿で生きていきたい。


 12月9日、初めて、作家・山田詠美さんに会うことが出来た。
新刊「ジェントルマン」発行を記念して、
梅田の紀伊国屋で行われたサイン会に出かけて来た。

 「ありがとう」の気持ちを込めて、プレゼントを用意した。
KAPITALのマフラー。ちょっと奮発したよ。
「似合うかなぁ、どうかなぁ?」とかなり悩んで選んだけれど、
ご本人を目の前にしたら、他のどれよりも、私の選んだものが一番似合うんじゃないかと思えてきた。そう思った決め手は、つけていらっしゃった指輪だった。

 緊張して、ほとんど何も話せなかったけれど、
「ありがとう」と言いながら、握手してくれたその手は温かく、
予想以上の、そして期待以上の圧力で、
強く、力強く握ってくれた。

 これからも、読み続けます。
心が乾いたら、その艶のある言葉を貪ります。

    つばき

by bigcamellia814 | 2011-12-13 00:18 | TSUBAKIng Times

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