自分の権利を知ることは、自己否定のスパイラルから抜け出すきっかけ

 昨日の夕方、職場に1人の来客があった。
スーツ姿の、見た目30代後半くらいの男性。
もうすぐ帰ろうかと思っていた矢先のことだったので、
「また、なんかの営業ぉぉぉぉ?いらないんですけどぉ」と思いながら、
ひとまず、「ご用件は何でしょうか?」と尋ねた。
すると、営業とは思えないほどにオドオドしている。
いったい、何の人だ?

 受け取った名刺には、JOBカフェの研修生と書いてあった。
JOBカフェとは、『2003年に国が策定した「若者自立・挑戦プラン」の中核的施策に位置付けられたもので、地域の実情に合った若者の能力向上と就職促進を図るため、若年者が雇用関連サービスを1ヵ所でまとめて受けられるようにしたワンストップサービスセンターのこと』だそうだ。簡単に言うと、求職中の人が、仕事の適正や履歴書の書き方、面接の仕方などのアドバイスを受けたり、研修を受けたり出来るようだ。その研修の一環なのだろうか、事前にアポを取ったり、飛び込みでいくこともあるが、色んな職場を回り、話を聞いていると彼は言っていた。(その目的・効果についてはよくわからないし、時間がなかったので詳しくは尋ねていない)

 仕事の内容等を簡単に説明した後で、今度は私から彼に質問した。
失業して約1年。過剰な時間外労働が続き体調を壊し、ドクターストップがかかって休職するようになり、結局会社を辞めたそうだ。オドオドした不安そうなその様子から、メンタルの面でもしんどい思いをされたのだろうと想像した。

 私は、自分が有期雇用を理由に雇い止め解雇されたことを彼に話した。
そして、「体調を壊して仕事をやめなければいけなくなった時、
自分がダメだから頑張れなかったんだと責めたんじゃないかなぁと思うけれど、
過剰な時間外労働が続けば、体調も壊すし、精神的にしんどくなるのは当然のことですよ。
自分が悪いって思ってますか?
あなたは悪くないですよ。
でも、これからまた働くことになった時、自分を守るために、
労働者として、自分にどんな権利があるのか知っていてほしいなぁと思います。
時間外労働も、残業代を支払わないのも、有給休暇を取らしてくれないのも、会社側に問題があるのです。労働者には、その改善を使用者に求める権利があります。しかし、その権利を知らなければ、また、会社にとって都合よく使われるだけです。就職活動と同時に、そういうことも知ってほしいなぁと思います。』と伝えた。これは、私が労働組合に入って実感したことだった。

 自分の権利を知ることは、自己否定のスパイラルから抜け出すきっかけをくれる。

 昨今、公務員バッシングが激しいが、
「本人の意に反して解雇出来ない」というのは、公務員だけに適応されているわけではない。一方的な解雇をする使用者が後を絶たないという残念な現実があるだけで、民間で働く人たちも、「本人の意に反して解雇は出来ない」のだ。意に反して解雇された場合は、たたかう手段だってある。

 そういうことを伝えていく場を作るのが、私のやることなのかもしれないなと、
少しだけ覚悟を持って考えるようになった。

 昨日出会った彼が、もう、これ以上、自分を責めたりしませんように。

      つばき
 

by bigcamellia814 | 2011-12-10 15:14 | TSUBAKIng Times

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